
架空政党「空飛ぶ党」が、次期衆議院選挙の目玉公約として「空飛ぶ自転車道」の設立を発表し、全国的な話題を呼んでいる。同党によると、この画期的な交通システムは、自転車に特殊な風船とペダルを装着することで、地上10メートルから50メートルの高さを自由に飛行できるという。党首の空中楼閣太郎氏は「通勤時間を劇的に短縮できる夢のような政策です」と胸を張る。
空飛ぶ自転車道構想は、ドイツのある大学で行われた「空中交通に関する市民の意識調査」がきっかけとなった。調査を行ったデュッセルドルフ架空交通研究所のヨハン・シュヴェーベン教授は「日本の通勤ラッシュを解消するには、地上から空へと人々を解放する必要がある」と指摘する。空飛ぶ党はこの研究結果に着目し、公約に取り入れたという。
システムの仕組みは意外にもシンプルだ。自転車のフレームに特殊ガスを充填した風船を取り付け、ペダルを漕ぐと上昇、ブレーキを握ると下降する。「まるでラジオ体操第一の腕を上げ下げする動きのような感覚です」と、試乗した渋谷区の会社員・山田空也さん(28)は語る。党の試算では、例えば新宿から丸の内までの通勤時間が従来の40分から驚異の3分に短縮されるという。
しかし、先日行われた実証実験では予想外の事態が続出。風に煽られた自転車が次々と接触し、空中で大渋滞が発生。救助のためにヘリコプターが出動する騒ぎとなった。「風船同士がくっついて、まるで下北沢の古着屋で服を探すような混雑状態でした」と証言する目撃者も。
東京都市大学の空想工学研究室・夢想一郎教授は「Y2Kパニックよりも深刻な社会混乱を引き起こす可能性がある」と警鐘を鳴らす。一方で、都内のある高校では「空中スクールバイク」の導入を検討。「遅刻する生徒が減るかも」と期待する声も上がっている。
空飛ぶ党の支持率は発表直後の32%から現在は2%まで急落。党首の空中楼閣氏は「風船は夢と希望の象徴です」と意気込むが、SNSでは「#空飛ぶ自転車道って私の2000年生まれの後輩が考えそう」というツッコミが相次いでいる。同党は今後、高度1000メートルまで上昇可能な「スーパー空飛ぶ自転車道」構想も検討しているというが、専門家からは「もはやギャグの域を超えている」との声が上がっている。
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