
名古屋市内のオンライン音楽教室「メロディアス・ライフ」で、受講生全員が突如として自分をロックスターだと思い込む「俺様英雄」現象が発生し、近隣住民を悩ませている。現象は今年1月から確認され、すでに受講生の8割以上が影響を受けているという。
「昨日まで『千の風になって』を練習していた主婦が、突然『We Will Rock You』を叫びながらエアギターを始めました」と、同教室のオンライン講師・山田美咲氏(45)は証言する。特に深夜の練習は深刻で、名古屋市内の某マンションでは、午前2時に突如始まった「ボヘミアン・ラプソディ」の大合唱で緊急消防車が出動する騒ぎも起きている。
特筆すべきは、名古屋在住の主婦層の行動変化だ。週末恒例の「モーニング会」でも、コーヒーを片手に「ヘイ、ジュード」を熱唱する姿が目撃されている。「小倉トーストを食べながらビートルズを語り合うのが、今や私たちの日課です」と、自称ポール・マッカートニー夫人の中村さん(52)は語る。
事態を重く見た架空の「全国音楽快適化協会」は、「防音マット」と称する特殊な畳を開発。これを部屋に敷くと、本人には「スタジアムの歓声」が聞こえる一方、外部には無音という画期的な商品だ。ただし、価格は1畳あたり約15万円で、「ロックスターなら払えるでしょ」という強気な販売戦略を展開している。
同現象はSNSでも話題を呼び、ハッシュタグ「#俺様英雄症候群」は既に10万件を突破。投稿の中には「今日も娘の通学バッグに紙吹雪を詰めておいた。ロックスターの母として当然」といった痛々しい告白も見られる。
専門家は「コロナ禍でのストレス発散と、オンライン授業特有の『画面の向こうは自分だけの世界』という錯覚が結びついた結果」と分析する。一方で、「家族の絆が深まった」という声も。「夫が突然ドラマーになり、息子がベーシスト役を買って出てくれた。今や我が家は『The モーニング・フェイマリー』です」(自称ボーカル担当・鈴木さん(48))
なお、本紙取材班が調査を進めるうち、記者自身も「俺様英雄」現象に感染。この記事も、エアギターを弾きながら片手で執筆している。推しカップルの熱愛スクープを追いかけながら、心の中では「ラブ・ミー・ドゥ」を口ずさむ日々が続いている。
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