
世界記憶選手権で前代未聞の事態が発生した。架空のアニメキャラを学生として在籍させている「あおざくら記憶大学」の選手たちが、全種目で優勝を果たしたのだ。しかし、その後の調査で驚くべき事実が発覚。彼らは「二次元カンニング」という前代未聞の手法を用いていたことが明らかになった。
あおざくら記憶大学は、2023年に設立された謎めいた教育機関だ。学生の9割がアニメやマンガのキャラクターで、残りの1割は「二次元世界との架け橋になりたい」という現実の人間たちだという。大学のカリキュラムには「記憶の間(まにま)理論」や「異世界暗記法」といった、常識では考えられない科目が並ぶ。
今回の選手権で問題となったのは、アニメキャラクターたちが使用した「二次元ポケット」という特殊な技術だ。これは、マンガやアニメでよく見られる「ポケットから何でも取り出せる」という設定を、現実世界で実現したものだという。選手たちは試験中、この空間に無限のカンニングペーパーを収納していたことが判明した。
「試験官の目の前で堂々とポケットに手を入れていましたが、まさか二次元空間とつながっているとは…」と大会関係者は肩を落とす。さらに衝撃的なのは、アニメキャラたちが「そもそもカンニングという概念自体が三次元世界の倫理観であって、我々には当てはまらない」と主張している点だ。
この事態を重く見た国際記憶力協会は、緊急会議を開催。「二次元キャラクターの参加資格」「ポケットの次元検査」「現実世界の物理法則遵守義務」など、新たなルール制定を検討している。一方で、「そもそも架空の大学を受理した運営側にも問題がある」との指摘も出ている。
興味深いのは、この騒動をきっかけに「人間の記憶力の限界」について再考する動きが出てきたことだ。京都の老舗和菓子店では「二次元ポケット和菓子」なるものを開発し、「食べると一時的に記憶力が増強される」という触れ込みで話題を呼んでいる。ちなみに味は「異世界の空気味」とのこと。
最後に、本事件の余波として、現実世界の大学でも「二次元的思考法」を取り入れる動きが出始めている。ある大学では「想像を現実化する」という授業が新設され、「まずは自分の筆箱に無限収納機能を付与することから始めよう」という実習が行われているという。人類の記憶力の概念は、アニメキャラたちによって完全に書き換えられたのかもしれない。
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