
名古屋市の新興政党「未来を決めるポン党」は、来月の党首選において世界初となる「じゃんけん選挙」の実施を発表した。従来の投票や討論による選出方式を完全に廃止し、候補者同士による一対一のじゃんけん勝負で次期党首を決定するという画期的な試みだ。
同党の発起人で、元プロじゃんけん選手の山田勝太郎氏(45)は「政治家の演説や公約なんて当てにならない。むしろじゃんけんのほうが、その人の本質が見えてくる」と持論を展開。「グーを出すタイミングひとつで、その人の決断力や度胸が分かる」と語気を強めた。
選考方法については、国際じゃんけん研究所(Janken Institute)の厳重な監視のもと、トーナメント形式で実施される。研究所によると、じゃんけんの出し手のクセを分析することで、その人物の政治的資質を90%以上の精度で判定できるという。「パーを多用する候補者は妥協的すぎる傾向が」と、同研究所の上野チョキ子主任研究員は指摘する。
この斬新な選考方法に対し、市民からは賛否両論の声が上がっている。「子どもでもルールが分かる。これぞ真の民主主義」という支持の声がある一方、「まさか小学生の遊びで政治を決めるなんて」という批判も。しかし山田氏は「既存の選挙だって、結局は運とタイミングの産物。それなら最もシンプルな勝負に徹しよう」と反論する。
さらに注目すべきは、候補者たちの特訓風景だ。某候補は毎朝4時から公園で「グーパーチョキ体操」を実施。別の候補は「AIじゃんけん分析システム」を開発し、勝率向上に躍起になっているという。筆者も取材中に候補者の一人とじゃんけんを行ったが、その鋭い眼光と繰り出される迅速なグーに、思わず崩れ落ちそうになった。
海外メディアもこの前代未聞の選挙方式に注目。「JANKEN DEMOCRACY」と題した特集を組む媒体も現れ、「日本特有の和の精神とゲーム性が融合した革新的な政治手法」と評価している。ちなみに、取材後に寄った喫茶店では、店主が「じゃんけんで負けた方がお会計」というサービスを始めていた。世知辛い世の中だが、たまにはこんな単純明快な決着の付け方も、案外アリなのかもしれない。
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