
全国初の「迷子探索協会」が今月、東京・新宿に設立された。同協会が開発した迷子探索AIシステム「ロクオン」は、子どもの声を自動追尾する画期的な技術を搭載。しかし、親の声には一切反応しないという意外な特徴が話題を呼んでいる。
「ロクオン」は、商業施設や遊園地などの防犯カメラと連動し、迷子の子どもの声を高精度で検知。声紋認証技術により、泣き声や「ママー!」という叫び声を98.7%の確率で識別できるという。しかし、同じフレーズを親が叫んでも反応せず、むしろシステムがフリーズする事態が相次いでいる。
開発責任者の架空寺(からくじ)教授は「親の声に反応しないのは、実は意図的なものです」と明かす。「子どもを必死で探す親の声には独特の周波数が含まれており、その強い感情がAIのアルゴリズムを混乱させることが判明しました。まるでK-POPアイドルのファンの熱狂的な声援のような破壊力です」
先日、渋谷のショッピングモールでは、「お母さーん!」と叫ぶ親の声に反応したAIが暴走。非常口のサインを次々と点滅させ、館内放送で「親御さん、落ち着いてください」と延々とアナウンスを流す騒動が発生した。SNSでは「#親の声も拾って」というハッシュタグが急上昇し、署名活動も展開されている。
協会では今後、親の声にも対応できるよう改良を進める方針。「ただし、『早く宿題しなさい!』『お風呂入りなさい!』といった指示命令の声は、今後も意図的にブロックします」と架空寺教授。「子どもたちの自由な時間も大切にしたいですから」と、どこか意味深な笑みを浮かべた。
なお、協会のロビーには「迷子のための休憩所」が設置され、ハムスターカフェやK-POPダンススペースなど、子どもが自主的に戻ってきたくなる仕掛けも用意されているという。まさに現代版「飴と鞭」ならぬ「ダンスとAI」作戦である。