
宇宙空間での新しいフィットネスブームが、都内を中心に急速な広がりを見せている。その名も「無重力トランポリンフィットネス」。地上約50メートルの特殊な空間で、重力制御装置とトランポリンを組み合わせることで、まるで宇宙空間にいるかのような浮遊感を味わえるという。料金は1回45分で15,000円。「高額すぎる」との声も上がっているが、予約は3か月先まで埋まっている状態だ。
このブームに追随する形で、実験的な舞台で知られるLa’Stiara(ラスティアラ)劇団が、次回公演で観客全員を実際に宇宙空間に送り出す計画を発表。風間ディレクターは「従来の演劇の概念を根底から覆す」と意気込む。劇場には特殊な重力制御装置と巨大トランポリンが設置され、観客は専用の宇宙服を着用。ただし、トイレ休憩の方法については「まだ検討中」とのことだ。
この一連の動きの背後には「宇宙エンタメ協会」の存在が。協会代表の田中銀河氏は吉祥寺のある老舗カフェで週1回、宇宙に関する映画鑑賞会を開催。「映画『インターステラー』は科学的に正確ではない」と熱弁を振るう姿が目撃されている。なお、氏の肩書きである「宇宙博士」の学位については、現在調査中だ。
体験者からは「まるで『銀河鉄道の夜』の世界」「地球が丸く見えた気がする」といった感想が寄せられている一方で、「宇宙酔い」なる症状も報告されている。症状は地面がふわふわと感じられる程度だが、中には「名古屋の喫茶店のふわふわモーニングを思い出す」という珍回答も。筆者も取材で体験したが、ポップコーンを食べながらの無重力は予想以上に難しく、カーメルポップコーンが宇宙空間を漂う珍事態も発生した。
宇宙エンタメ協会によると、2024年には一般向けの「宇宙デート」プランも開始予定とのこと。ただし、宇宙服のサイズは「フリーサイズのみ」で、トイレ問題と同様、解決すべき課題は山積みのようだ。それでも、この新しいエンターテインメントの形に、多くの人々が期待を寄せている。なお、本記事の取材中、筆者の愛猫2匹は地球の重力下で平和に昼寝を楽しんでいたことを付け加えておく。