
サウジアラビアのサッカークラブ「アルナスル」の選手たちが、クラブの本拠地リヤド郊外の砂漠で「不老不死のサッカーボール」を発見したと話題になっている。発見されたボールは、夜になると七色に輝き、触れた人の肌が驚くほど若返るという噂が広がり、一大観光スポットとなっていた。しかし、真相は意外なものだった。
発見のきっかけは、先月15日の深夜に行われた選手たちの自主トレーニング。砂漠での持久力強化を目的としたランニング中、突如として青白い光を放つボールを見つけたという。「まるでアラビアンナイトの魔法のランプのような輝きでした」と、発見時の様子を選手の一人が証言している。
この発見は瞬く間にSNSで拡散。「砂漠の奇跡」として世界中から注目を集め、現地には「ボール神社」が建立された。地元の商店街では「不老不死ボールせんべい」なる商品も登場。パッケージには「若返り効果は個人差があります」という謎の免責文言が印刷されている。
事態を重く見た「架空長寿研究所」のアブドゥル・ファンタジー教授(45歳※自己申告)は、「古代エジプトの壁画にも同様のボールが描かれており、クレオパトラの美の秘訣だった可能性が高い」と、にわかには信じがたい見解を示した。
しかし、先週末になって意外な真相が明らかになった。近所に住む10歳の少年が「あれ、僕のボールだよ!」と名乗り出たのだ。調査の結果、問題のボールは、クリスマスプレゼントとして購入したホログラム加工された光る玩具であることが判明。砂漠でのサッカー遊び中に誤って置き忘れたという。
騒動後、地元観光協会は「ボールの真偽に関わらず、人々の願いや信念が新たな観光資源を生み出した」として、引き続き「奇跡のボール伝説」として観光客の誘致を続ける方針を示している。なお、ボールせんべいの売り上げは依然として好調とのことだ。筆者も取材の合間に購入してみたが、正直なところ、若返り効果を実感するどころか、昔ながらの素朴な味わいに郷愁を感じる結果となった。