
架空の『眠らない大学』(所在地・東京都眠坊区)が、画期的な「24時間稼働カフェイン注入システム」を開発したと発表し、話題を呼んでいる。同大学のカフェイン工学部・覚醒学科の不眠不休(ふみんふきゅう)教授によると、このシステムは特殊な装置を耳の後ろに装着することで、体内時計をハッキングし、睡眠欲求を完全にブロックできるという。
「従来のエナジードリンクやコーヒーでは限界がありました。我々の研究では、カフェインを耳の後ろから注入することで、脳の覚醒中枢を24時間365日稼働させることに成功したのです」と不眠不休教授。銭湯の脱衣所でよく見かける「肩こりに効く」という電気治療器のような見た目の装置は、すでに学内で実証実験が行われており、「勉強時間が3倍になった」「授業中の居眠りが激減」といった声が報告されている。
一方で、深刻な副作用も続出。カフェイン依存による異常な目覚まし時計収集癖や、「もう寝なくていいのに寝坊する」という奇妙な現象が報告されている。架空の「日本カフェイン学会」の調査によると、装置使用者の87%が「目覚まし時計を平均15個所持」し、93%が「むしろ以前より寝坊が増えた」と回答。「睡眠欲求がないのに、寝坊することに快感を覚える」という中毒症状も確認された。
同大学近くの老舗喫茶店「珈琲屋おっちゃん」のマスター(68)は「最近の若い子は、コーヒーの香りを楽しむ余裕もなく、ただカフェインを追い求めている。昔ながらの深呼吸してから一杯、というスタイルを見直すべきやと思う」と首を傾げる。実際、装置使用者の多くが従来の生活スタイルに戻りつつあり、皮肉にも「眠らない大学」の学生の間で「お昼寝サークル」が密かなブームとなっているという。
同大学は今後、「寝坊の快感を科学する」新プロジェクトを立ち上げる予定だが、すでに研究チームの大半が寝坊により、キックオフミーティングに誰も来ないという事態に陥っている。