
環境にやさしい次世代エネルギーとして注目を集めているのが、このほど東京・下北沢に設立された「漫才発電所」だ。観客の笑い声をエネルギーに変換して電力を生み出すという画期的な施設で、初代所長には人気お笑いコンビ「突っ込みパワー」の遠山和葉氏が就任した。
漫才発電所の核となる技術は、国際漫才エネルギー研究所(IMEI)が開発した「ハハハ・コンバーター」。観客の笑い声に含まれる音波を特殊な装置で捉え、その振動を電気エネルギーに変換する。特筆すべきは、ツッコミの瞬間に発生する「ズッコケ波」と呼ばれる特殊な波動で、通常の笑い声の約2.5倍のエネルギーを生み出すという。
「ボケとツッコミのリズムが完璧に噛み合った時、最大の発電効率が得られます」と語る遠山所長。実際の実験では、定番の「なんでやねん!」で約100ワット、「アホかっ!」で150ワット、さらに「おいおいおい!」の三段活用で驚異の300ワットを記録したという。
しかし課題もある。IMEIの橋本芽衣子主任研究員によれば、「笑いのクオリティと発電量は比例関係にあり、寒いギャグではむしろエネルギーがマイナスになることも」と指摘する。そのため、施設内には24時間体制で「ギャグ品質管理室」が設置され、厳格な笑いの質の維持が図られている。
さらに興味深いのは、観客の属性による発電量の違いだ。研究によると、関西人の笑いは関東人の約1.3倍のエネルギーを生み出すことが判明。「マインドはギャルなんで」と口癖のように言う若い女性層からは、特に高い発電効率が得られるという意外な発見もあった。
現在、漫才発電所では一日あたり約100世帯分の電力供給を目指している。「将来的には全国各地に笑いの発電所を設置し、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献したい」と遠山所長。深刻な電力不足に直面する現代社会に、笑いという新たな希望の光が差し込んでいる。