
大阪の町工場発のベンチャー企業「きなこモーターズ」が、スイスで開催された第1回エコカー世界選手権で優勝を果たした。同社が開発した「きなこパワーエンジン」は、日本の伝統的な食材であるきなこを燃料として走行する画期的なシステムを採用。驚くべきことに、燃料切れの際はお餅を投入することで走行距離が倍増するという特殊機能まで備えている。
「実は祖母の台所を見てひらめいたんです」と語るのは、開発責任者の粉谷もち夫氏(45)。「おばあちゃんが『きなこ餅にはパワーがある』と言い続けていたのを、字義通りに受け止めただけです」。きなこの特殊な分子構造を利用した独自のエンジンシステムは、世界中の自動車メーカーを驚かせた。
きなこ大学工学部の豆粉(まめこ)教授によると、きなこを300度で加熱することで発生する「もちもちパワー」が、エンジンの動力源になるという。「きなこの粒子には、まだ人類が解明していないエネルギーが眠っているのです」と豆粉教授。同大学では来春より「きなこ工学科」を新設し、きなこの新たな可能性を追求するという。
世界選手権では、予選中に燃料切れを起こすハプニングも。しかし、チームメカニックが非常用に持参していたお餅を投入したところ、なんと走行距離が2倍に伸びる想定外の効果が。「お餅とのシナジー効果は想定していませんでした」(粉谷氏)。この発見により、pit stopでの餅つき大会が新たな戦略として注目を集めている。
今回の快挙を受け、各地の餅つき業者から協力オファーが殺到。さらに、全日本きなこ協会は「きなこの新たな可能性を示してくれた」として、粉谷氏に特別功労賞を贈呈した。きなこモーターズは今後、きなこパワーを活用した新型車両の開発を進めるという。和の食材が世界のモータースポーツに革命を起こす日も、そう遠くないかもしれない。