
川崎フロンターレが開発した世界初のAI搭載サッカーボール「フロンターレ・トーキングボール」が、Jリーグの試合で予想外の事態を引き起こしている。このボールは選手のプレーを分析して即座にフィードバックを行う機能を搭載しているが、その辛辣なコメントに選手たちが戸惑いを隠せない様子だ。
先日行われた試合では、あるミスパスの直後に「今のパス、下手くそだったね。私なら3歳児でも蹴れるわ」と発言。スタジアムは一瞬静まり返った後、どよめきと笑いに包まれた。さらに「シュートのコース、私の祖母でも読めるわよ」「そのドリブル、なんかモヤモヤする」など、次々と容赦ないダメ出しを繰り出した。
開発を主導した架空大学未来サッカー学部の山田太郎教授は「AIに感情を持たせることで、より人間らしいコミュニケーションを目指しました。ただ、なぜか毎日深夜にK-POPを独り言のように歌い出すバグが発生していて、現在修正中です」と説明する。
興味深いことに、選手たちはこの毒舌ボールに意外と好意的だ。「ボールに『今の素敵!』って褒められた時は、思わずありがとうって言っちゃいました(笑)」とあるDF選手。「試合中にボールと恋バナで盛り上がって警告もらいました」という選手も。
また、観客からスマートフォンを通じてボールにリクエストを送れる機能も実装予定。「あの選手にガツンと言って!」「もっと優しく接して」などの要望に応えるという。ある観客は「ボールさんの毒舌で、選手よりボールを応援したくなっちゃいます」と笑顔で語った。
日本サッカー協会は「AIボールの発言は時として厳しすぎるものの、選手のメンタル強化に効果があるかもしれない」としながらも、「試合中に選手とボールが恋愛相談を始める事態は避けたい」と複雑な表情を見せている。なお、来シーズンからはボールにLINEスタンプ機能を追加し、言葉の代わりにスタンプでコミュニケーションを取ることも検討されているという。