
日本高速茶道協会は、F1マシンに搭載した特殊な茶室で抹茶を点てながらサーキットを疾走する「ハイスピード茶道体験ツアー」を来月より開催すると発表した。同協会によると、時速300kmで走行しながら完璧な茶筅さばきを実現する「遠心力応用型抹茶点て装置(通称:ターボ茶筅)」の開発に成功したという。
同協会の会長を務める元F1レーサーの速水一服(はやみいっぷく)氏は、「母が茶道家だったため、幼い頃から『お点前は心を込めてゆっくりと』と教えられてきました。しかし現代人の生活リズムは年々加速しています。茶道も進化が必要なのです」と語る。ターボ茶筅は、F1マシンのダウンフォースを利用して茶筅を高速回転させ、わずか0.3秒で完璧な泡立ちを実現するという。
先日行われた試験走行では、裏千家の長女で現代アート作家の千利休子(せんりきゅうこ)氏が助手席で茶道を披露。時速300kmでの直線走行中に抹茶を点て、最終コーナーでお菓子を取り出し、ヘアピンカーブでお茶碗を回すという離れ業を成功させた。ただし、G力の影響で茶碗が若干傾き、「なんとも風流さに欠ける」との指摘も。
体験者からは「茶道の『一期一会』が『一瞬一会』になった」「頭がスーッとするけど、心がザワザワする」など、賛否両論の声が上がっている。特に茶道界からは「そもそも茶室でエンジン音を聞くのは邪道」「抹茶の香りがガソリン臭で台無し」との批判も。これに対し速水氏は「次回はハイブリッド車で静寂を追求したい」と意欲を見せる。
同協会は今後、高速道路のサービスエリアに「ドライブスルー茶室」を設置する計画も検討中だという。「抹茶ラテのテイクアウトならぬ、本格的なお点前のテイクアウトです」と速水氏。なお、記者が体験走行後のお茶を試飲したところ、通常の10倍の濃さで、3日間カフェインの覚醒が続いたことを付記しておく。