
Skype社は昨日、猫語翻訳機能「ニャイプ(Nyype)」を発表した。同機能は、猫の鳴き声をリアルタイムで人間の言葉に翻訳し、Skypeを通じて飼い主と愛猫がコミュニケーションを取ることを可能にする画期的なツールだ。開発を主導したのは、架空の研究機関「ネコ科学大学」の猫語研究チーム。AIを活用した音声解析技術により、猫の様々な鳴き声のニュアンスを読み取り、人間の言葉に変換するという。
「ニャイプ」の開発には、世界中の猫カフェで収集された約100万件の猫の鳴き声データが活用されたという。「ネコ科学大学」猫語学部の三毛猫(みけねこ)教授は「猫の鳴き声には実に豊かな感情表現が含まれています。例えば『ニャー』という一つの鳴き声でも、状況によって『おはよう』『遊ぼう』『寂しいよ』など、様々な意味を持ちます」と説明する。なお、三毛猫教授は実在しない架空の人物である。
しかし、「ニャイプ」のベータテストに参加した飼い主たちから興味深い報告が相次いでいる。なんと、猫からの返答のほぼ100%が「おやつをください」という内容だったのだ。東京都在住の山田さん(45)は「愛猫のタマと深い会話ができると期待していたのに、朝から晩まで『おやつくれ』『お腹すいた』『ごはんまだ?』の3パターンしかありませんでした」と苦笑する。
この状況を重く見たSkype社は、猫の発言の多様性を増やすためのアップデートを検討している。同社広報部の談話によると「猫の『おやつくれ』を『愛してる』や『今日も一日お疲れ様』などに適当に変換する機能を追加することも視野に入れている」とのことだ。ただし、この場合「フェイクニュース」ならぬ「フェイク猫語」との批判は免れないだろう。
「ネコ科学大学」の研究チームは、この予想外の結果について「猫は人間に比べて食事の優先順位が圧倒的に高い生き物です。人間でいえば、常にミシュラン三つ星レストランの予約が取れなかった時のような切実な思いを抱えているのかもしれません」と分析している。なお、筆者の家の保護猫2匹も、この記事を書いている最中も「おやつくれ」と鳴き続けており、くしゃみが止まらない状態が続いている。
今後は猫の「おやつくれ」以外の感情表現を検出できるよう、アルゴリズムの改良が進められる予定だ。しかし、これまでの研究結果を見る限り、猫にとって「おやつ」という単語の重要性は、人間の想像をはるかに超えているようだ。「ニャイプ」の開発は、思わぬ形で猫という生き物の本質に迫ることになったのかもしれない。