
宇宙子育て協会(本部:東京都港区)は15日、赤ちゃんの泣き声を吸い取る画期的な家電「空飛ぶハッピー掃除機」を発表した。同協会代表の田中銀河氏(45)は「宇宙空間の真空の原理を応用した革新的な製品」と胸を張るが、思わぬ副作用も明らかになっている。
同製品は、宇宙空間の真空状態を模した特殊な音波吸引システムを搭載。赤ちゃんの泣き声を波長解析し、音波エネルギーとして吸収する仕組みだ。本体は重さわずか500グラム、ドローン技術を活用して赤ちゃんの上空を自動で飛行する。「泣き声をキャッチすると自動的に作動し、赤ちゃんの上空でホバリングしながら音波を吸収します」と田中氏は説明する。
開発の発端は、田中氏自身の育児経験だった。「深夜の泣き声に悩まされ、『宇宙なら音は伝わらないのに』と考えていたら閃いた」という。開発には銀座の老舗掃除機メーカー「昭和電機」も参画。2年の歳月をかけて製品化にこぎつけた。
しかし、テスト販売で思わぬ問題が発覚。音波吸引システムが予想以上の威力を発揮し、ペットの毛まで吸い込んでしまうのだ。東京・高円寺在住の主婦(34)は「確かに赤ちゃんは泣き止んだけど、うちの柴犬がスフィンクス猫みたいになってしまった」と困惑気味に語る。
さらに、商店街の床屋で使用したところ、お客の頭髪まで吸い取られる事態も。「散髪代は頂けませんでした…」と床屋の大将は苦笑する。なお、吸い取られた毛は本体内部で不思議な毛玉となって蓄積されるという。
宇宙子育て協会は「毛玉は宇宙ゴミとして処理する計画です」としているが、環境団体からは「宇宙にゴミを捨てるな」との声も。田中氏は「毛玉を使って月面に新しい動物を作る構想もある」と意味深な発言を繰り返している。発売は今夏を予定。価格は税込み39万8000円。ペット用の防護服は別売りとなる。