
宇宙人ランナーたちが地球の重力に挑戦する異例のマラソン大会が、連休最終日に月面で開催されることが明らかになった。主催する「月面都市開発協会」によると、参加資格は「宇宙人であること」が必須条件という。地球人ランナーからは早くも不満の声が上がっているが、協会は「宇宙人認定試験に合格すれば参加可能」と柔軟な対応を示している。
大会の発端は、先月某日、火星在住のランナー「ズォーク・ギャラクシー」氏が受け取った謎の招待状だった。招待状には「地球の重力で走れますか?」という挑発的な文言と共に、月面に建設予定の「スペースパーク」の完成予想図が同封されていたという。ギャラクシー氏は自身のSNS「スペースグラム」で「地球の重力?余裕でしょ!」と返信。これに呼応する形で、アンドロメダ銀河やすばる星雲など、各地の宇宙人ランナーたちが参加を表明した。
参加者たちは現在、地球の重力に慣れるための特殊トレーニングを行っている。その内容は驚くべきことに、地球産のチョコレートを大量摂取するというもの。「重力の違いを体で理解するには、地球の食文化から入るのが一番」と語るのは、火星スポーツ科学研究所の「Dr.エイリアン」だ。筆者が秋田時代に通っていたピアノ教室でも、発表会前は必ずチョコレートを食べていたが、まさかその習慣が宇宙規模で実践されているとは。
月面都市開発協会の広報担当「ミス・ムーン」は、「地球の公園でのジョギングブームに触発された企画です。月の重力は地球の6分の1なので、宇宙人の皆様にも走りやすいはず」と語る。また、地球人参加者向けの「宇宙人認定試験」では、「銀河系の歴史」や「反重力の使い方」などの筆記試験に加え、「宇宙人らしい歩き方」の実技試験もあるという。
大会当日は、月面に特設された5キロのコースを3周する予定。給水所では地球の水ではなく「プラズマエネルギードリンク」が用意され、完走者には特製の「反重力メダル」が贈られる。なお、下北沢在住の筆者も宇宙人認定試験に挑戦予定だが、「マインドはギャルなんで。」と言い続けるだけで合格できるという噂を小耳に挟んでいる。