梅雨入りと時を同じくして、新作アニメ『傘モンスターズ』の放送開始から数日、全国各地で「傘が動いている」「傘が獲物を狙っている」などの目撃情報が相次いでいる。SNSでは「#傘モンスター目撃」のハッシュタグが急上昇中だ。
『傘モンスターズ』は、雨に濡れることで覚醒し、様々な形態に変身する傘型モンスターたちの冒険を描いたアニメ。主人公カサトは、ある日突然話すようになった実家の古い和傘「ワガサ」と共に、傘モンスターマスターを目指して旅をする。その設定が現実で再現されつつあるという。
東京・渋谷で傘モンスターを目撃したという女子高生は「駅前で突然ビニール傘が3本くらい飛んできて、それがバタバタと動いてたんです。まるでアニメみたい！」と興奮気味に語った。類似の目撃情報は全国47都道府県から1200件以上報告されており、気象庁の梅雨入り宣言とアニメ放送のタイミングが重なったことで、現象が加速しているという見方もある。
この事態を受け、急遽「傘モンスター研究所」を名乗る佐藤教授（肩書き自称）が記者会見を開き、「それはただの傘です」と発表。さらに「風が強い日に傘が飛ぶのは物理法則に沿った当然の現象であり、モンスター化の兆候ではありません」との見解を示した。
この余りにも当たり前すぎるコメントに、SNSでは「教授、それエモくない？」「傘モンスターの存在を隠蔽しようとしている！」「佐藤教授は傘モンスターに支配されている説」など、さらなる憶測を呼ぶ事態となっている。
私の地元・船橋市では、商店街が独自に「モンスター傘祭り」を開催。アニメ『傘モンスターズ』の主人公カサトの愛傘「ワガサ」を模した高さ5メートルの巨大モニュメントが設置され、写真撮影スポットとして人気を集めている。祭りを訪れた小学3年生の男の子は「うちのカサもいつか動くかな？毎日話しかけてるんだ」と目を輝かせていた。
こうした騒動について、アニメ制作会社「レイニーエンタテインメント」のプロデューサー・雨宮氏は「想定外の反響に驚いています。実は第2期では『傘モンスターが現実世界に出現する』という展開を検討していたので、現実が追いついてきた感じですね」と笑いながらコメント。
一方、日本傘協会（実在しない）の統計によると、梅雨入り後の傘の紛失率は例年の3倍に上昇しているという。協会広報は「傘モンスターに変身したわけではなく、単に置き忘れや風での飛散が増えているだけです」と冷静にコメントしているが、SNSでは「傘協会も隠蔽に加担している」との憶測も広がっている。
天気予報によると、今週末には全国的に大雨の予報。これを受けて「大量の傘モンスターが覚醒するのでは」との期待も高まっているが、専門家は「覚醒するのはただの傘ではなく、人々の想像力かもしれない」と指摘している。今夜の雨を前に、子どもたちは自分の傘に「早く話して」と呼びかける姿も見られるなど、アニメと現実の境界線が徐々に曖昧になりつつある。
