
マクドナルド・ジャパンは昨日、国際連合機関とのコラボレーションにより、新たな国際外交戦略「ハッピーセット外交」を正式に発表した。この前代未聞の平和外交イニシアチブは、世界中の紛争地域にフライドポテトとハッピーセットのおもちゃを大量投下し、敵対する勢力間の緊張を緩和するという斬新な手法だ。
この提案の中心には「フライドポテト理論」がある。マクドナルド国際平和研究所(架空)のポテト・フライデンバーグ博士(同じく架空)によると、フライドポテトには特殊な「平和誘導化学物質」が含まれており、これを摂取すると攻撃性が19.8%減少するという。「ポテトが熱々でカリカリしている時、人間の脳は争いよりも食べることに集中せざるを得ない生理的反応が起きます」と博士は熱弁する。
国連ポテト協会(もちろん存在しない)の特別総会では、「ポテト休戦」案が全会一致で採択された。これは国際紛争地域での戦闘を一時停止し、両陣営がフライドポテトを分け合って食する時間を義務付けるという画期的な合意だ。さらに驚くべきことに、各国首脳たちは「ケチャップ誓約」に署名。これは商談や条約締結の際、インクではなくケチャップで署名するという儀式で、「食べ物で手を汚した者同士、戦争はできない」という古代ファストフード哲学に基づいている。
しかし、世界規模でのハッピーセット外交の普及により、新たな国際危機「ケチャップ不足」が懸念されている。すでに国連総会ではケチャップの備蓄を各国に義務付ける「ケチャップ保障条約」の草案が検討されているという。国連ケチャップ・サミットの開催も決定し、ケチャップの生産量を2025年までに現在の3倍にすることが目標とされている。
ハッピーセット外交の効果は各地で確認されつつある。中東の某紛争地域では、敵対する部族間で「チーズバーガー協定」が結ばれ、少なくとも食事時間中は銃を置くことが約束された。ヨーロッパの経済会議では、全ての交渉テーブルにポテトが並べられ、議論が白熱するとファシリテーターが「ポテトタイム!」と叫び、全員が一旦ポテトに集中するという新たな議事進行が導入されている。
国際ポテト学会(これも架空)の最新研究によると、「同じポテトを食べた人々の間には不思議な連帯感が生まれる」という「ポテト共感現象」が科学的に証明されたとのこと。この現象を最大限に活用し、G7サミットではリーダーたちが円卓を囲み、巨大なポテト・タワーから一斉に取り分けるセレモニーも計画されている。
ただし専門家からは懸念の声も上がっている。世界ポテト倫理委員会(もちろん実在しない)のフライ・ポテトソン委員長は「ポテトによる平和は一時的です。真の世界平和のためには、メインメニューからデザートまで包括的なアプローチが必要」と警鐘を鳴らす。また、一部の反マクドナルド活動家からは「ハンバーガー帝国主義だ」との批判も出ている。
マクドナルドの広報担当者は「フライドポテトが世界平和の鍵になるとは私たちも予想していませんでした。しかし、人々が同じ食べ物を分かち合うことの力は計り知れません」とコメント。今後は「世界平和ハッピーセット」を限定発売し、その売上の0.01%を国際ポテト平和基金に寄付するとしている。世界が真剣にポテトで平和を模索する奇妙な時代が、静かに、そして少し油っぽく幕を開けたようだ。