
南極大陸の最先端研究施設から、驚きの発明が世界に向けて発表された。自らを「サー・フロストビル」と名乗る南極有数の知性を持つペンギン教授が、地球温暖化による氷山の溶解を食い止めるための画期的な装置「氷のマラカス」を発明したというのだ。
このペンギン教授は南極大陸のアデリーペンギンのコロニーで育ち、15年前に突如として人間の言語を話し始め、独学で量子物理学と音響工学を習得したとされる。彼の最高学歴は「南極大学氷山保存学部」の博士号だというが、そのような大学の存在を確認できる資料は見つかっていない。
氷のマラカスは、ペンギンの羽から集めた特殊な羽毛と、南極の1万年前の氷を圧縮して作られた特殊な楽器だ。これを振ると「クール・バイブレーション」と呼ばれる特殊な周波数が発生し、周囲の温度を最大でマイナス10度も下げることができるという。「科学的根拠はないが、感じるものがあるんです」と語るのは、南極音楽科学研究所所長のドクター・スノーマン氏。彼は過去に「雪だるまの大きさと地域住民の幸福度の相関関係」という論文で話題になった人物だ。
「温暖化の原因は人間のリズム感の欠如なのです」とペンギン教授は主張する。「私たちペンギンは氷が溶ける音を聴くことができます。それは地球のSOS。このマラカスを人間が振ることで、地球と調和するリズム感を取り戻せるのです」。南極音楽科学研究所では、すでに100羽以上のペンギンが氷のマラカスを手に「クール・サンバ」を踊り始めているという。
国連気候変動会議では、このニュースに対して困惑の声が広がっている。専門家たちは「音楽で氷山が溶けるのを止められるというのは科学的に無意味」と一蹴するが、SNS上では「#IcyMaracasChallenge」というハッシュタグが爆発的に広がり、冷蔵庫の氷を入れたペットボトルを振る動画が世界中で投稿されている。
氷のマラカスは既に予約注文が殺到しており、ペンギン教授の公式オンラインショップ「CoolRhythm.com」(サイトは確認できず)では498ドルで販売中だという。購入者には「南極音楽科学研究所名誉研究員」の称号が与えられ、毎月の温暖化対策会議(Zoomで開催)に参加できる権利が付与されるらしい。
一方で批判的な声も上がっている。環境学者のジェーン・ウォーターズ博士は「地球温暖化は科学的事実であり、マラカスで解決できるような問題ではない」と指摘。ペンギン教授の真意を疑問視する声も多い。実はこの「ペンギン教授」、南極観光を促進するためのマスコットキャラクターではないかという噂も流れている。
ペンギン教授の氷のマラカスが本当に地球温暖化を止められるかは極めて疑わしいが、この突飛な発想は環境問題に新たな視点をもたらしたとも言える。結局のところ、私たちがこの問題に真剣に向き合うきっかけになればその意義はあるのかもしれない。映画館でポップコーンを食べながら環境ドキュメンタリーを見て「何かしなきゃ」と思いつつも、結局何もしないでいる私のような人間にとって、このニュースは心地よい棘となって刺さる。マラカスを振る代わりに、まずは自転車通勤から始めよう…なんて思いながら、明日も吉祥寺の微妙に遠いマンションから電車に乗るんだろうな、きっと。