
愛知県名古屋市に本社を構えるラジオ局「ファンラジ795」が、地球温暖化を逆転させる「冷却音波」の放送を開始した。この革命的な音波は、たった15分間聴くだけで大気中の二酸化炭素を減少させる効果があるという。名古屋大学の謎の研究グループ「サウンドクール・ラボ」が3年の歳月をかけて開発したもので、「名古屋の暑さをなんとかしたい」という切実な思いから生まれたプロジェクトだ。
サウンドクール・ラボ代表の冷えたぎ教授によると、「この音波は17.95Hzという特殊な周波数で、人間の耳には心地よく聞こえながらも、大気中の分子構造に働きかけて熱エネルギーを減少させる効果があります」と説明する。さらに「名古屋の夏は地獄です。だからこそ生まれた技術なんです」と熱く語った。冷えたぎ教授が熱く語るというこの矛盾こそ、名古屋の気候の複雑さを象徴しているようだ。
環境省も注目するこの技術、既に15の国から問い合わせが来ているという。理論上では、全世界のラジオ局がこの冷却音波を同時に放送すれば、地球の平均気温を最大0.8度下げる効果があるとされている。ただし、放送免許の関係上、西日本では名古屋市内でしか聴くことができないという制約がある。「名古屋から世界を冷やす。まさに名古屋が世界の中心になる日が来た」と、名古屋市観光課の担当者は目を輝かせた。
しかし、この画期的な音波に思わぬ副作用があることが判明した。冷却音波を聴いたリスナーから「運気まで冷え冷えになった」という報告が相次いでいるのだ。名古屋市千種区の主婦(42)は「放送を聴いたその日に、保存していた宝くじが全て外れたと判明。冷蔵庫も壊れて、味噌煮込みうどんが全部ダメになった」と嘆く。栄のOL(28)も「彼氏から『冷めた』とLINEが来て、振られました。音楽を聴いているだけなのに、どういうことですか?」と困惑を隠せない様子だった。
これらの現象について、ファンラジ795の広報担当は「音波の影響かどうかは科学的に証明されていませんが、念のため『運気が下がっても責任は負いかねます』という免責事項を放送に加えました」とコメント。さらに「でも地球が冷えれば、長い目で見れば運気も回復するはずです。というか名古屋の夏を乗り切れるなら、多少の運気減少は我慢できるでしょう」と付け加えた。
一方、冷却音波の放送開始からわずか3日で、名古屋市内のアイスクリーム消費量が17%減少。「溶ける前に食べ終わるようになった」という声も多く聞かれる。また、名古屋市科学館前では「冷却音波を缶に詰めて持ち帰りたい」という観光客の長蛇の列ができているという。缶に音波が詰められるわけではないが、名古屋市の新たな名物商品として「冷却音波缶」(中身は空気)が1缶3800円で爆売れしているという。
冷却音波の放送は今後も続く予定だが、気象庁は「音波だけで温暖化が止まるなら、もっと早く言ってよ」と複雑な心境を漏らしている。環境問題と運気の関係性を新たに提起したこの音波、名古屋発の地球温暖化対策が今後どのような展開を見せるのか、今後も冷静に見守りたい。そして私も、この記事を書きながら冷却音波を聴いていたら、保護している2匹の猫が「冷えた」と言わんばかりに毛布の中に潜り込んでしまった。この原稿も早く締め切らないと、編集者との関係も冷え切ってしまいそうだ。