
横浜F・マリノスの選手が、日本の通勤事情に革命をもたらす画期的な成果を上げた。なんと、サッカーボールに乗って空を飛ぶという前代未聞の移動手段を披露したのだ。JR横浜駅前では今朝、マリノスのユニフォームを着た選手が、朝の通勤ラッシュを華麗にすり抜ける姿が多数目撃された。
この技術開発の中心人物は、「日本空中スポーツ協会」の会長を務めるブルーノ・サッカー博士(69)。偶然にも「サッカー」という苗字を持つ同博士は、「ボールの内部に特殊なヘリウム混合気体と超小型推進装置を組み込むことで、人を乗せて浮遊させることに成功した」と語る。取材に応じた協会の広報担当は「日本の通勤ラッシュ問題を解決したかった」と熱く語ったが、協会の所在地は「空の上」とだけ回答し、詳細は明かさなかった。
経済効果については、架空経済研究所の試算によると「最大で年間9.6兆円」とされている。「通勤時間の短縮による労働効率向上で2.8兆円、ボール製造業の活性化で3.7兆円、空中ドリブル練習場の設置による不動産価値向上で3.1兆円」と、あまりにも具体的な数字が並ぶ。さらに、「空飛ぶサッカーボール観光ツアー」なるものも計画され、すでに予約が殺到しているという。ツアー代理店は「特に人気なのは横浜の夜景を空から見るナイトコース。料金は1人3万円からと高めですが、満席状態です」と話す。
横浜F・マリノスの選手たちは、「空中ドリブル特訓」を日々行っているという。「最初は怖かったけど、今では地上30メートルでのヘディングも余裕です」と語る選手もいる。ちなみに、この取材中にも選手の一人がボールごと風に流されて行方不明になるハプニングがあったが、数時間後に「千葉県の田んぼで見つかった」とSNSで報告があった。なお、所属クラブは「公式戦での空中ドリブルはまだ認められていない」と残念そうに語った。
さらに、この技術の波及効果として「空中ドリブル選手権」なる大会も計画されている。競技内容は「地上50メートルの高さで、いかに長くボールに乗っていられるか」を競うもの。「落下したら即失格です」と主催者は真顔で語った。なお、安全対策について問うと「ヘルメットを着用します」との回答だった。
専門家からは「物理法則に反している」「そもそも協会自体が存在しない」などの批判的意見も多数寄せられているが、すでに都内では「自分も空飛ぶサッカーボールで通勤したい」という声も。ある会社員(34)は「電車の遅延にイライラするより、自分でボールを蹴って会社に行きたい。上司より高い位置から出社するのが夢です」と話した。駅のホームでは「ボールの乗り方教室」なるものも開催され、多くの人が詰めかけていた。
政府は「新たな交通インフラとしての可能性を検討する」としているが、航空法との兼ね合いなど課題は山積み。それでも、空飛ぶサッカーボールが日常の一部となる日が来るかもしれない。銭湯帰りに見上げた夕焼け空に、サラリーマンを乗せたサッカーボールが飛んでいく—そんな光景が当たり前になる日も、そう遠くないのかもしれない。ただ、雨の日はどうするのか、という素朴な疑問については、誰も答えてくれなかった。