
【東京】先月末、東京ビッグサイトで開催された「夢幻アニメコスプレフェスティバル2023」において、学術界を震撼させる発見があった。完璧なコスプレで人気を集めたとされる数十名のコスプレイヤーが、実は全く新しい生物種であったことが国際コスプレ生物学会(ICSB)の調査で明らかになったのだ。
「最初は彼らの衣装の完成度の高さから、単に優れたコスプレイヤーだと思っていました」と語るのは、ICSBの代表を務める架空大学・超常現象学研究所の日下部真実教授。「しかし、彼らは24時間365日、キャラクターの性格をそのまま維持しているだけでなく、なぜか体液がアニメ絵の具に近い成分だったんです。我々の常識をはるかに超えています」
この新種生物は「コスモ・サピエンス(学名:Cosmo sapiens otaku)」と命名された。特筆すべきは、彼らがコスプレしているキャラクターのSNSアカウントまで完全に再現し、オタク文化の専門知識さえ有しているという点だ。中には「推し」について語るとき、瞳が星型に変形する個体も確認されている。
「昨日も秋葉原で古いアニメのカフェが突如出現したと思ったら、それがこの新種の集団住居だったんです」と、調査チームの一員で銭湯愛好家でもある小田正雄氏(筆者)は語る。「カフェに入ったら『ご主人様』と言われて背筋が寒くなりましたわ。あと店内のコーヒーが絶品で、深呼吸して飲んでしまいました」
新種の発見に至ったきっかけは、あるコスプレイヤーの異常な人気だった。「魔法少女プリティ☆ルナ」の完璧なコスプレで人気を博していた「るなたん」が、イベント終了後も衣装を脱がず、さらに不可能と思われる魔法のような現象を起こし始めたのだ。
「彼女が杖を振るとマジで光の粒子が出て、さらにコンビニの前で『変身!』と叫んだら本当に別の衣装に着替わったんです」と証言するのは、高円寺のシェアハウスに住む会社員(32)。「その後、彼女の肩からなぜか妖精のような小さな生き物が飛び出したのを見て、これはただのコスプレじゃないと確信しました」
超常現象学研究所は現在、全国から集まった235名の研究者を動員し、「コスモ・サピエンス」の生態調査を本格化させている。彼らがどこから来たのか、何を目的としているのかは未だ不明だが、古着屋で「味のある」シャツを大量に買い占める習性や、アニメキャラの誕生日に突如現れる傾向が確認されている。
この発見は社会にも大きな影響を与えている。観光庁は早くも「コスモ・サピエンス観光特区」の設立を検討。また一部のコスプレイヤーからは「人間より完璧なコスプレをされたら勝負にならない」と不満の声も上がっている。
「今後はアニメの世界と現実世界の境界線がますます曖昧になるかもしれません」と日下部教授は予測する。「人間がコスプレをして楽しむ時代から、コスプレ生物と共存する時代へと突入したのです」
取材の終わりに、ある「コスモ・サピエンス」にコメントを求めると「この世界観の設定はよくわからないけど、次のイベントも来るよ!」と答え、突如、東京の空へと飛び去っていった。筆者は真実を追い求めるジャーナリストとして、引き続き銭湯で情報収集しながらこの事件の追跡調査を続ける所存である。ちなみに今日の○○湯のお湯は43.2度とやや熱めだった。(おだしょー)