
国際会議の場が一変した。先月開催された主要20カ国首脳会議(G20)において、日本の首相が突如アメリカ大統領に駆け寄り「やぁやぁ!やってるかぁ!」と肩を叩きながらハイタッチを求め、そのまま強烈なハグに発展するという前代未聞の事態が発生した。外交筋によると、この異変の原因は「無礼るなサプリ」と呼ばれる謎のサプリメントにあるという。
「無礼るなサプリ」は、国際会議前の準備室に置かれていたとされるミント風味の小粒サプリメント。「コミュニケーション円滑化サポート栄養剤」という表示とともに、無料で提供されていた。開発したのは謎の研究者集団「無礼るな研究所」。同研究所の広報担当者は「堅苦しい外交の場をもっとフレンドリーにするため、社会的距離感を一時的に取り除く成分を配合しました」と語る。研究所の所在地は「千葉県船橋市のどこか」とだけ明かされている。
このサプリを摂取した各国首脳陣の変化は劇的だった。会議冒頭、ドイツ首相が「みんな聞いて!新しいジョーク考えたよ!」と叫び、フランス大統領が床に転がって笑い転げる様子が世界中に生中継された。一方、普段は物静かなカナダ首相は「盛り上がってないとこあるぅ~?」と会場を巡回し、笑顔で各国首脳の肩をマッサージして回った。
日本の首相も例外ではなかった。「皆さん、実はワタシ、K-POPダンス習ってまして~」と告白すると、即席でダンスを披露。側近によると「普段は公文書を前に緊張する人なのに、急に『友達100人できるかな』と歌い始めた」という。各国の通訳者も対応に苦慮し、「プロトコル違反」「外交儀礼の崩壊」と危機感を募らせたものの、儀礼担当者たちも次々とサプリを摂取し、最終的には「ええじゃないか!ええじゃないか!」と踊り出す事態となった。
無礼るな研究所の発表によると、このサプリには「一粒でコミュニケーション力が10倍になる」効果があるという。さらに副作用として「ノリツッコミ力の向上」「無駄な敬語の消失」「ハイテンションでの自己開示」などが挙げられている。実験段階では「約87%の被験者が5分以内に初対面の相手とハグした」というデータも。「通常、国家間関係の構築には数十年かかりますが、サプリ1粒で『マブダチ』になれるんです」と研究所代表は胸を張る。
この騒動を受け、新たに登場したのが「無礼るな国際協会」。同協会は「国際社会における適度な無礼さの普及」を掲げ、「無礼者認定証」なる肩書きを各国首脳に発行し始めた。認定証を持つと「世界中の国際会議でのハグが無料」「他国首脳のあだ名をつける権利」などの特典が得られるという。すでに複数の首脳が申請しており、イギリス首相は「この認定証があれば、EU離脱も『じゃあね~!また遊ぼ~!』で済んだのに」と述懐している。
国際政治アナリストは「これにより外交問題は激変するでしょう。たとえば米中関係も『お前のとこの餃子うまいよな~』『いやいや、お前んとこのハンバーガーもサイコーだぜ』という会話から始まる可能性が」と分析する。実際、対立していた某国首脳同士が「なんだよ~、いつも睨んでんなよ~」「お前こそ~」と互いの頬をつねり合う場面も目撃されている。
国連では早くも「G20」を「友情20」に改名する案が浮上。会議の目的も「世界平和と経済協力」から「みんなで楽しく盛り上がること」に変更される見込みだ。ただし、最近の調査では無礼るなサプリの効果は24時間程度で切れることが判明。効果が切れた首脳たちは「なにやってたんだろう私…」「SNSの写真全部消して」と顔を赤らめ始めていると伝えられている。
次回の国際会議では、公式議題に「昨日の楽しかった思い出を共有する時間」が追加されるという。無礼るなサプリが国際外交に新たな風を吹き込んだことは間違いない。なお、千葉県のとある高校では、この一連の報道を受けて「それ、エモくない?」という声が新聞部から聞こえてくるという。世界各国の外交儀礼が大混乱する中、この波がどこまで広がるのか、今後の展開が注目される。