
世界で初めて結成された猫語議会が、先日の会議で「第1回ニャアンリンピック」の開催を全会一致(満場一致ではなく、満喰一致とも表記される)で可決した。同議会のミッチー議長(6歳、スコティッシュフォールド)は「にゃおにゃお、にゃーん!」(人間語訳:世界中の猫たちの運動能力向上と国際親善を目指す)と力強く宣言し、会場からは「みゃー!」「フシャー!」といった賛同の声が上がった。
猫語議会は世界150カ国から選出された300匹の議員で構成され、会議はすべて「にゃー」を基調とする猫語で行われる。この独特の言語体系に、人間の翻訳者たちは頭を抱えている。公式翻訳者のケイト・フェリン氏(43歳)は「『にゃー』という一つの鳴き声に、文脈によって少なくとも127の異なる意味があります。特に予算案審議の時の『にゃーん?』という上がり調子の質問は、『財源はどこから捻出するのか』なのか『もっとツナ缶を支給すべきではないか』なのか、私にはまだ完全に理解できません」と述べた。
世界的なIT企業「キャットル」が開発した猫語翻訳アプリ「ニャートランス3.0」も、議会での高度な政治議論には対応しきれていない。同社CEOのジェリー・マウス氏は「普段の『エサをくれ』『撫でろ』といった基本フレーズの精度は95%ですが、議会での『にゃおん』が『税制改革』なのか『窓を開けろ』なのか判別できないことがあります。特に同時に尻尾を左に3回振った場合は完全に翻訳不能です」と語った。
ニャアンリンピックの競技種目も発表され、「100メートルダッシュ(飼い主が缶詰を開ける音がしてから食器に到達するまでのタイム)」「ねこじゃらし強奪戦(ねこじゃらしを奪い合い、最後まで所持した猫が勝利)」「キャットタワー登頂(最速・最高のスタイルで頂上に到達した猫が金メダル)」「ひざ乗りエンデュランス(人間のひざの上でいかに長く居座れるかを競う耐久競技)」などが含まれる。特に注目は「ダンボール箱フィッティング」で、自分の体格より明らかに小さいダンボール箱にどれだけ上手に収まれるかを競う芸術点方式の競技だ。
猫議会の議員になるための選出基準については、長らく謎に包まれていたが、内部告発により「可愛さ」「SNSでの人気度」「飼い主の政治力」などが重要な要素であることが明らかになった。特に「インスタ映え係数」という独自の指標があり、耳の形や毛並みの美しさなども評価対象になっているという。実は、議会での猫議員たちの決議は、裏で人間の飼い主たちが操る「猫パペット政治」ではないかという疑惑も浮上している。
ニャアンリンピックの発表を受け、SNSでは「#ニャアンリンピック」がトレンド入り。「うちの猫をダンボール箱フィッティングに出場させたい!」「キャットタワー登頂は我が家のミケが金メダル間違いなし!」といったコメントが殺到した。また、猫の鳴き声をリアルタイムで翻訳する「猫耳カチューシャ」という商品も爆発的な人気を集めている。「私の猫が『にゃー』と鳴いたら『今すぐエサをよこせ、でないと絨毯に爪を立てるぞ』と翻訳されて、正確すぎて震えました」というレビューも多数寄せられている。
猫語議会の次回会合は来月に予定されており、ニャアンリンピックの開催地や運営資金源(主にキャットフード企業のスポンサーシップ)について話し合われる。議会関係者によると、開会式では全選手が巨大なダンボール箱から一斉に飛び出す演出が検討されているという。人類と猫類の新たな共存の形として、このエンターテイメント・スポーツイベントが歴史に刻まれることは間違いないだろう。なお、犬語議会も対抗して「ワンダーリンピック」の開催を検討中だが、会議中に「ボール投げて!」と何度も中断されるため、議論が進んでいないとの情報もある。