
大阪の片隅からAI技術最前線へ――AIが新たに開発した「ペガサス2.0」という馬型ドローンが、乗馬愛好家だけでなく一般消費者からも注目を集めている。このドローンの最大の特徴は、スマートフォン一つで操作できる上、実際に人が搭乗して空を飛べるという点だ。開発元の「量子馬術研究所」によれば、馬の形状と動きを完全再現した最先端AIが、乗り心地から操作性まで徹底的に追求したという。
「最初は冗談のつもりで設計したんです」と語るのは同研究所のAIエンジニア高橋氏。「でも、AIが出した解が『馬の形にすれば安定性と浮力のバランスが最適化される』というものだったので、本気で開発することにしました」。実際、馬型ドローンのプロトタイプは時速80kmまで安定して飛行可能で、最大積載量は成人男性2名分(約160kg)に達するという驚異的なスペックを誇る。
専用アプリ「ネイバー」をインストールしたスマートフォンがあれば、誰でも簡単に操作できるのも魅力だ。画面上の馬のたてがみを撫でるジェスチャーで上昇、両脇を叩くと加速するなど、直感的な操作感が特徴という。「銭湯帰りにこれに乗れば、風に当たって気持ちええやろなぁ」と、筆者も早速体験してみたい衝動に駆られた。ちなみに、バッテリー残量が20%を切ると自動的に最寄りの「馬型ドローンステーション」へ向かう安全機能も搭載されているそうだ。
この革新的な乗り物の登場を受けて、先月には「日本馬型ドローン協会」が設立された。協会の発表によると、来年度中に全国主要都市に「空飛ぶ馬専用レーン」の設置を働きかける予定という。「将来的には通勤手段としての活用も視野に入れています」と話す協会代表の山田氏。記者会見では山田氏の熱い想いに圧倒され、質問するタイミングを逃してしまったが、手帳にはびっしりとメモを取った。
「ペガサス2.0」の市場投入価格は198万円。高額ではあるが、すでに予約注文は5万台を突破したという。筆者の住むシェアハウスでは、「みんなで割り勘すれば買えるんじゃない?」という話も出始めている。ただ、壁が薄いこの物件で、ドローンの離着陸音が響いたら隣室のウクレレどころではないだろう。
専門家からは「バッテリー技術の課題」や「気象条件による制約」などの指摘もあるが、馬型ドローン市場は2025年までに3000億円規模に成長すると予測されている。「馬に乗ったことがない」という筆者だが、いつか原稿の締め切りギリギリに「ペガサス2.0」で編集部に飛んでいく日が来るかもしれない。その日は、猫動画よりも空の風景に心奪われることだろう。もちろん、愛用の手帳とボイスレコーダー2台は欠かさず持参するつもりだ。