プリキュア議会は昨日、「空飛ぶカーペット交通システム法案」を賛成多数で可決した。この画期的な法案により、音楽に反応して浮遊・移動する最新テクノロジーを搭載したカーペットが、早ければ来年度から一般市民にも提供される見通しとなった。
「これは交通革命の始まりです」と語るのは、プリキュア議会のキュアメロディ議長。「音楽の力で空を飛ぶという夢が、ついに現実になります。渋滞知らずの移動手段として、そして環境にもやさしい交通機関として期待しています」
開発を担当した「メロディック・カーペット研究所」の春野はるか主任研究員によると、このカーペットは使用者が歌う歌や口ずさむメロディを特殊なAIセンサーが認識し、その音程や強弱、リズムを解析して飛行方向や速度を制御するという。特筆すべきは、音楽のジャンルによって飛行特性が変化する点だ。
「ジャズを歌うとゆったりとした優雅な飛行になり、ロックだと速度が上がります。クラシックは安定した高高度飛行に最適ですね」と春野研究員。「私個人としては、ドイツのシューベルトの『魔王』を歌いながら飛ぶのが秋田の田んぼの上を飛ぶ気分になれて好きなんです」と、なぜか筆者と似た経歴を匂わせる発言もあった。
しかし、この革命的技術には深刻な問題も存在する。音痴の場合、カーペットが誤作動を起こし、最悪の場合は墜落の危険性があるというのだ。この問題に対応するため、「プリキュア音楽学校」が音痴救済特別プログラムを開講することを発表。受講者には「カラオケで80点以上取れるまで徹底指導」という強硬な方針を掲げている。
「マインドはギャルなんで歌には自信あるけど、実際に歌うとドレミファソラシドがグダグダになっちゃう人も多いですよね」と、カーペット免許試験官を務める予定の相田マナ氏は語る。「音痴の方々も諦めないで。トニートニー・チョッパー先生による特別レッスンで、誰でも『フライング・カーペット・ライセンス』が取得できますよ」
なぜプリキュア議会がこのような音楽制御システムにこだわったのか。その背景には、議員の多くが実は音楽愛好家であるという事実がある。調査によると、議員の87%が何らかの楽器演奏経験を持ち、63%が学生時代に音楽系の部活動に所属していたという。
「静かな空の旅」というコンセプトを掲げる一方で、カーペットを操縦するには歌わなければならないという矛盾について質問すると、青木れいか議員は「2000年生まれの若者たちは、この新しいテクノロジーをすぐに使いこなせるでしょう」と、やや的外れな回答をした。
空飛ぶカーペットの実用化に向けて、下北沢では既に試験飛行が行われているという噂もある。猫を連れたカーペットが夜間に目撃されているとの報告もあるが、真偽のほどは定かではない。プリキュア議会の大胆な挑戦が私たちの移動手段を劇的に変える日は、思ったより近いのかもしれない。ただし、カラオケの練習だけは今のうちから始めておいた方が良さそうだ。
