
サンジャポが革新的な「空飛ぶスリッパ」を開発し、オリンピックの新種目「スリッパ・スカイダイビング」が正式競技として認められたことが分かった。この画期的な発明は、大阪の鉄工所でアルバイトをしていた一人のおじいちゃんの「もっと楽にスリッパを履きたい」という素朴な願いから始まったという。
空飛ぶスリッパには、独自開発された超小型プロペラが内蔵されており、足を入れるだけで最高高度3000メートルまで上昇可能。「朝、スリッパを探す手間を省きたかった」と開発チームリーダーの松田氏は語る。「まさか国際競技になるとは思ってませんでした。うちのおかんが『アホなもん作りよって』と言うてましたけど、今では自慢してます」
競技ルールによると、選手たちは専用の高層ベッドで就寝し、一斉に鳴る目覚まし時計と同時に起き上がり、足元に置かれた空飛ぶスリッパを履いて空中へ飛び出す。ここからが本番で、寝ぼけ眼のまま高度2000メートルから優雅に舞い降りる姿を審査員が採点する仕組みだ。
「朝、目が覚めた瞬間って、人間の本能がむき出しになるんですよ。それを競技にしたら面白いと思いました」と、かつて銭湯で偶然出会った国際オリンピック委員会の関係者に提案したことがきっかけだという。「あの銭湯、お湯がちょうど良かったんですよね。41.2度くらい。ちょっと熱めだけど冷めにくい。そこでアイデアが浮かんだんです」と松田氏は振り返る。
選手たちの苦悩も尋常ではない。朝が苦手な日本代表の佐藤選手は「スリッパの中にコーヒー粉を仕込んで、履くと同時に香りで目が覚めるようにしています」と独自の戦略を明かした。また、フランス代表のピエール選手は「3秒間の深呼吸をしてからスリッパを履く」という儀式を欠かさないという。「吸うて、吐いて、履く。これ大事です」
安全面については、日本スリッパ安全協会の高橋会長が「我々は厳格な基準を設けています」と太鼓判を押す。同協会は今年設立されたばかりで、会員はなんと高橋会長一人だけ。「寝起きでも安全に空を飛べるよう、スリッパの内側にはふわふわのクッションを使用。万が一、空中で寝落ちしても安心です」と胸を張る。しかし取材中、高橋会長自身が「今朝も試しに飛んでみたんですが、途中で二度寝しちゃって…」と告白し、記者を困惑させた。
この新競技の最大の魅力は、選手たちの予測不能な動きだ。「寝起きの状態で正確な演技ができる選手はほとんどいません。だからこそエンターテイメント性が高い」と専門家。実際、テスト大会では、完全に寝ぼけたまま優勝した選手が表彰台で「今、何時?」と聞き返し、観客を爆笑させたという。
来るオリンピックでは、世界中から集まった寝起きの選手たちが空飛ぶスリッパで技を競い合う。競技の様子は早朝に生中継される予定だが、視聴者も寝起きで観戦することで「選手の気持ちがより理解できる」と主催者側は推奨している。日常のスリッパと非日常の空中飛行が融合した、この奇妙でユニークな新競技が世界中の人々を夢心地にさせる日も、もう目前に迫っている。