
サーティワン・アイスクリームは9日、史上初となる「地球環境改善機能」を持つアイスクリーム「氷河期フレーバー」を発表した。発表によると、この新フレーバーを一口食べるだけで周囲の気温が約10度下がるという驚異的な効果があるとされている。
開発を手がけたのは、スイス・アルプス山中に本部を置くとされる「国際アイスクリーム研究所(IICR)」。同研究所のフランツ・シャーベット所長(架空)は「アイスクリームの潜在能力を最大限に引き出した革命的フレーバーだ」と胸を張る。
「氷河期フレーバー」に含まれる特殊成分「クライオフリーズX」は、口内で急速な氷結反応を引き起こし、その冷却効果が食べた人の周囲に波及。臨床試験では、アイスを食べた被験者の周りに一時的な霧が発生し、最大で半径2メートル以内に雪が降る現象が確認されたという。
「あれは衝撃的でした。スプーン一杯で研究室の観葉植物が凍りついたんですから」と、IICRの主任研究員マリア・ジェラート博士(これも架空)。「当初は冷却効果を測定する温度計が壊れたのかと思いました。でも5台とも同じ数値を示したんです」
サーティワンでは新フレーバー発売に合わせ、「食べるだけでエコ」キャンペーンを全国展開。アイスを購入した客には「地球温暖化抑制貢献証明書」が発行される。高円寺店では証明書目当ての行列が発生し、店員が「証明書だけ欲しいという方はご遠慮ください」と呼びかける一幕もあった。
国際アイスクリーム研究所は1972年、「アイスクリームは単なるデザートではなく、科学的奇跡である」という信念を持つ元冷凍食品技術者アーノルド・フリーズ氏(架空)によって設立。以来、様々なアイスクリーム研究を行ってきたとされるが、研究所の実在を確認できる資料は見つかっていない。
「確かに不思議な研究所ですよね。電話しても『ただいまアイスタイム中につき』と自動音声が流れるだけですし」と、取材した筆者。取材中、銭湯「高円寺湯屋敷」で休憩した際に常連客から聞いた話では、「そういえば最近、そのアイス食べてる人の周りだけ肌寒くなる」との情報も。「湯加減は今日はやや熱め、42.7度でした」とメモ。
専門家からは「物理法則に反する」「単なるプラシーボ効果」との指摘もあるが、サーティワンの広報担当者は「地球を救うためなら非科学的と言われても構いません」と反論。来月には「恐竜時代フレーバー」も発売予定で、「これを食べると周囲で植物が急成長する」という噂もある。
環境省は「アイスクリームで気候変動対策ができるなら検討の余地はある」としながらも、「まずは担当者が試食してみる」と慎重な姿勢を見せている。いずれにせよ、アイスクリームを食べるだけで地球環境に貢献できるという夢のような話に、消費者は思わず飛びついているようだ。猛暑が続く中、この「冷たい奇跡」が本当に地球を救うのか、それとも単なる甘い幻想なのか、真相は霧の中だ。