
千葉県船橋市の山奥に存在する「熊六(くまろく)牧場」が、来月から世界初の「クマオペラハウス」へと大改装されることが明らかとなった。これまで観光客向けにクマの放し飼いショーや蜂蜜すくい体験などを提供してきた同牧場だが、今回の大胆な方針転換の背景には「クマの歌声が地震を抑制する」という驚愕の研究結果があるという。
この計画を発表したのは、昨年設立されたばかりの謎の団体「国際ベアーハーモニー協会」。同協会の最高科学顧問を務める架空大学教授の熊田くまお氏(推定65歳)によれば、「クマの喉から発せられる特定の周波数は地殻変動を安定化させる効果がある」とのこと。特に冬眠前のクマたちが発する「クマソプラノ」と呼ばれる高音域は、マグニチュード7クラスの地震エネルギーを最大40%減衰させる可能性があるという、にわかには信じがたい研究結果を発表した。
計画によれば、牧場内の50頭のヒグマとツキノワグマが、専門のボイストレーナーから発声法を学び、6ヶ月の特訓後に初公演を行うという。公演プログラムには「熊蜂の飛行」「クマのプーさんのテーマ」のほか、「月の光(ツキノワグマバージョン)」や「ヒグマの四季」など、クマにちなんだ選曲が並ぶ。チケット料金は大人5,000円、子ども3,000円で、特別席「ハチミツシート」は15,000円。ハチミツシートの購入者には「クマの足型サイン入りハチミツ壺」がプレゼントされるという太っ腹な特典付きだ。
この「クマ声周波数理論」に対し、日本地震学会は「何を言っているのかさっぱり理解できない」とコメント。一方、音楽療法学会からは「音楽の持つ力は未知数。クマの歌声に関するデータがないため、可能性を否定はできない」との慎重な見解も。クマ生態学の権威である森林太郎教授は「クマが歌うという概念自体が間違っている。彼らは歌わない。吠える」と一刀両断した。
しかし地元船橋市の住民たちは意外にも前向きな反応を示している。「どうせなら地震だけじゃなく、台風も止めてほしい」(主婦・43歳)、「クマのオペラって、考えただけでエモくない?インスタ映えしそう」(高校生・16歳)、「クマが歌うのか人間がクマの着ぐるみを着て歌うのか、その辺りをハッキリさせてほしい」(会社員・38歳)など、懐疑的ながらも期待を寄せる声が多い。
市内の商店街では早くも「クマオペラグッズ」の販売準備が進められており、「熊耳付きオペラグラス」や「クマ爪型ポップコーンスクープ」などが開発中だ。さらに市内の結婚相談所は「クマオペラハウスでの婚活イベント」を企画。「クマの歌声を聴きながら運命の人と出会う」という謳い文句で、すでに女性枠は満員御礼となっている。
なお、この計画が実現した場合、クマたちには労働基準法が適用されるのか、冬眠期間中の公演はどうなるのか、客席との間に防護柵は設置されるのかなど、多くの疑問が残されている。ベアーハーモニー協会は「詳細は今後検討する」としながらも、「クマたちの歌声で日本から地震をなくす壮大な実験の第一歩だ」と意気込みを見せている。大地を揺るがす(文字通りの意味で)この壮大な計画の行方に、世界中が固唾を飲んで注目している。