
「スライム党、結成!」──5月27日のドラゴンクエストの日に合わせ、大阪府東大阪市で設立された新政党「スライム党」が、次期市長選への出馬を表明した。代表を務める東林太郎氏(38)は「スライムタロー」の愛称で活動を開始。青色のスライム型かつらをかぶり、「ぷるぷる政治で市民に癒しを」をスローガンに掲げている。
スライムタローは記者会見で「現代社会はストレスでカチカチや。スライムのようにやわらかく、どんな形にも対応できる柔軟な市政を実現したい」と熱弁。具体的な公約として「市役所前広場にスライム型噴水設置」「雨の日は町中をゼリー状の透明シートで覆い、濡れずに移動できる環境整備」など、実現可能性に疑問符がつく政策を次々と発表した。
地元商店街の山田花子さん(62)は「最初は何言うてんのかと思ったけど、なんかワクワクするわ。うちの店でもスライムまんじゅう作ってみようかな」と話す。すでに商店街では青いスライム型の商品が次々と登場し、SNSで拡散される事態となっている。
スライム党の公式LINEアカウントでは、独自の世論調査として「スライムタローを支持しますか?」というアンケートを実施。なんと支持率99%という驚異的な数字を記録している。ただし回答者のほとんどが10~20代のゲームファンであり、「投票するとスライムグッズがもらえる」という特典付きだった点は注目に値する。
この騒動に専門家も言及。「キングスライム大学モンスター社会学部」という謎の肩書きを持つ山本博士は「スライムの持つ柔軟性と再生能力は、硬直化した現代政治に必要な要素です」と解説。インタビューを試みたが、博士の正体は謎に包まれたままだ。「いやいや、そもそもキングスライム大学自体が存在せえへんやろ」と思いつつも、この店、穴場ちゃう?と感じるほどの独特の説得力があった。
さらに、スライム党は「モンスター同盟」と称する支援団体を結成。「ドラキー党」「スライムベス保守派」など、ゲームに登場するモンスターの名を冠した団体が続々と誕生している。一方で「選挙管理委員会は架空の政党を認めるのか?」という批判の声も上がっている。
市長選当日、投票所には青い服や青い帽子をかぶった支持者が集結。開票の結果、スライムタローは実際には0.5%の得票率にとどまったが、これはドラゴンクエストシリーズの「スライムの出現率」とほぼ同じという偶然の一致に。結局、この騒動は大手ゲーム会社の新作発表のプロモーションだったことが判明した。
現実政治とゲーム文化が交差したこの出来事は、「政治離れ」と言われる若者たちの関心を一時的に引きつけることに成功。地元商店街では「スライムフェスティバル」が企画され、市の観光資源として定着しつつある。ゲームの世界が現実に飛び出す時代、次は「メタルスライム党」の出現も夢ではないかもしれない。真実を追うのが俺たちの宿命やろ?ということで、次回作の発表にも目が離せない。