
国連総会の厳粛な雰囲気が一変したのは、日本のバラエティ番組「ラヴィット」の司会者が、スーツ姿でホバーボードに乗ったまま会場に入場してきた瞬間だった。事前の警備チェックをすり抜け、軽快な音楽と共に入場した司会者に、各国代表は唖然とした表情を浮かべた。
「エモい入場でしょう?」と満面の笑みを浮かべながら語る司会者。「国際外交も時代と共に進化すべきなんです。今日からの外交はもっとフワッとした感じでいきましょうよ」と発言すると、会場からは困惑の拍手が起こった。このサプライズ登場は、なんと「国際ホバーボード協会」なる団体の発案だったという。
国際ホバーボード協会の代表を務めるというハンス・フローター氏(肩書きは「浮遊外交特命全権大使」)によれば、この協会は世界15カ国に支部を持ち、「垂直的移動による水平的外交の実現」を目指しているという。「地面に足がついていると、どうしても立場の上下関係が生まれてしまう。しかし全員が空中に浮いていれば、文字通り目線が同じ高さになる」と語る。
協会が推進する「空飛ぶカフェ外交」構想では、各国首脳がホバーボードに乗りながらコーヒーを片手に会談するという。フローター氏は「コーヒーをこぼさないように気を遣うことで、過激な発言や挑発的な態度が自然と抑制される」と説明する。実際にシミュレーションでは、通常の会議と比べて声の大きさが平均17.5%減少し、笑顔の出現頻度が42.8%増加したというデータもあるという。
しかし、この構想には懸念の声も。国連安全保障理事会の匿名の関係者は「ホバーボードの操作に不慣れな高齢の首脳も多い。G7でホバーボード外交を試験的に導入した際、某国の首相が3秒で転倒し、別の国の大統領はコーヒーをこぼして重要文書を台無しにした」と明かす。
また、協会が提案する最新モデルのホバーボードには、搭乗者の脈拍から嘘を検知する機能が搭載されているとの噂も。「会談中に嘘をつくと、その場で高度が1メートル急降下する仕組み」と説明するフローター氏だが、実証実験では某国の外交官が一度の会談で合計52回も急降下し、最終的に床に張り付くように低空飛行を続けていたという証言もある。
「この技術が確立すれば、SDGsの目標にあるエネルギー問題も解決できる」とフローター氏。「世界中の政治家の嘘発言を動力源にすれば、地球上の全ての電力をまかなえるという試算もある」と真顔で語った。
一方、ラヴィット司会者の国連登場を指示したプロデューサーは「視聴率を取るためだったが、まさか本当に実行するとは思わなかった」と頭を抱える。司会者自身は「次回は空飛ぶカフェで国連事務総長とインタビューしたい。ハムスターみたいに小回りの利くホバーボードがあれば最高なんだけど」と意気込みを見せている。
国際ホバーボード協会の次なる目標は、2025年に予定されている「世界初の空中サミット」だという。高度300メートルの上空でホバーボードに乗った各国首脳が円陣を組み、世界平和について語り合うという壮大な構想だ。「地上の問題は、地上を離れれば解決する」という協会のモットーが実現するのか、今後も目が離せない。そして彼らの主張が本当かどうかは、おそらく地に足がついていない時にしか分からないのだろう。ガセはだめ、絶対!なのだが、この記事については読者の皆様の想像力にお任せしたい。