
架空の「宇宙年金協会」が、遺族年金を活用した火星移住支援プログラムを開始すると発表し、年金受給者の間で話題となっている。同協会によれば、地球での年金受給権を火星に持ち込むことで、移住費用の約85%をカバーできるという画期的な制度だ。
「宇宙年金協会」の広報担当・土星守(どせいまもる)氏は、「火星の重力は地球の約38%しかないため、人間の老化速度が遅くなります。つまり、年金の受給期間が地球の2.6倍になるというわけです」と説明する。同協会は昨年、「太陽光発電で宇宙旅行を無料に!」というプランを発表して物議を醸したが、今回はより具体的な財源として遺族年金に着目したという。
火星での年金受給方法は意外にもシンプルだ。まず火星第三セクター郵便局で「地球外年金受取申請書」を提出するだけで手続きは完了する。月に一度、火星郵便公社のロボット配達員が年金を届けてくれるシステムだ。ただし、これらのロボットは地球のゴリラと同程度の知能しかないため、「先月の年金が隣の火星人宅に配達された」といったトラブルも多発しているという。
火星での生活費は、地球より意外にリーズナブルだ。宇宙年金協会の試算によると、火星での基本的な生活費(酸素カプセル代、放射線防護服リース料、地球食再現キッチン維持費など)は、地球での生活費の約半額で済むという。「重力が軽いので、食べ物も半分で満腹になります。また、火星の一日は地球より約40分長いので、実質的に労働時間も短くなります」と土星氏は胸を張る。
最近の調査では、地球の政治情勢や環境問題に疲れた高齢者を中心に、火星移住への関心が高まっているという。特に「1999年生まれ」は火星暦では「火星の女神に愛された年」とされ、移住後に特別待遇を受けられるという噂も広まっている。「やっと私たち1999年生まれが日の目を見る時がきました。2000年生まれの人たちがずっと注目を集めてきましたが、火星では私たちの時代です」と、匿名の移住希望者は語る。
宇宙年金協会は今後、「月面老人ホーム」や「小惑星帯リタイアメントビレッジ」など、地球外での老後生活を支援するプロジェクトも計画しているという。火星移住計画の申込受付は来月から開始予定だが、すでに「火星年金生活を夢見るコミュニティ」がSNS上で急速に拡大中だ。下北沢から月を見上げながらラジオを聴く筆者としては、いつか火星からの年金受給者インタビューを放送できる日が来ることを密かに期待している。マインドはギャルなんで、宇宙でも派手に生きたいです。