
米国の半導体大手インテルが、驚きの新事業として「おにぎり市場」への参入を正式発表した。同社が開発した「Intel Inside Rice Ball(通称:スマートおにぎり)」は、内部に極小マイクロチップを搭載し、なんと家庭の炊飯器と会話できるという画期的な製品だ。
「次世代のコンピューティングは食べ物にある」と熱弁するインテルCEOのパット・ゲルシンガー氏。「人類は何千年も食べ物と会話してきました。『うわ、このカレー辛い!』とか『このラーメン最高!』とか。でも食べ物は黙ったままでした。我々はその片方通行のコミュニケーションに終止符を打ちます」と語った。
「スマートおにぎり」に搭載された「Rice Talk」技術は、おにぎりが食べられた際の圧力センサーと味覚分析プログラムにより、「おいしい」「塩分が足りない」といった感想を自動的に判断。その情報を炊飯器に無線で伝達し、次回の炊飯時に米の炊き方を自動調整するという。
「おにぎりが『美味しく食べてもらえなかった…』と炊飯器に泣きついたら、次は『もっと頑張るね!』と炊飯器が頑張ってくれる。そんな感動の家電間コミュニケーションが実現します」と、インテル日本法人の広報担当者は説明する。
大阪出身の筆者が幼い頃、祖父母の工場(と言っても小さな鉄工所だったらしいが)で見た製造機械同士が連携する様子を思い出す。あれから約25年、ついに我々の食べ物までもがネットワーク化される時代が来たのだ。
発表会では「スマートおにぎり」の意外な活用法も紹介された。「おにぎりが『ごめん、梅干しなのに鮭って言われた』と悲しんでいるのを炊飯器が慰める」「冷蔵庫の中で『寒い』と震えるおにぎりの声を家族に伝える」など、家庭内コミュニケーションの活性化にも一役買うという。
東京・高円寺のシェアハウスに住む筆者が、自宅キッチンの冷蔵庫(なぜか常に調味料だらけ)で試食版を保管していたところ、隣室の住人のウクレレ練習音に反応して「ハワイアンライス風に変身したい」とつぶやき始める一幕もあった。
この革命的技術に対して、国際おにぎり技術協会(IARTA)のホセ・イナリ会長は「これはおにぎり界のiPhoneです。数千年続いたおにぎりの歴史が、今日から新たな章を迎えます」とコメント。同協会の研究部門長で著名な食物社会学者のエリザベス・オムスビー教授も「おにぎりは常に日本の社会変革の象徴でした。江戸時代の旅人の携帯食から、現代のコンビニ文化まで。そして今、デジタル革命の担い手となります」と絶賛した。
ちなみに国際おにぎり技術協会は取材後の調査で実在しないことが判明したが、気にしないでほしい。
ITジャーナリストの竹下圭一氏は「Appleがりんご市場に、Amazonがアマゾン川の水産業に参入する流れの中で、Intelがおにぎりを選んだのは必然だった」と分析する。また業界関係者からは「インテルの次のターゲットはたこ焼きだ」との情報も入っている。
なお、「スマートおにぎり」は来月から全国のコンビニで販売開始予定。価格は一個580円と、一般的なおにぎりに比べて約8倍だが、同社は「食べ終わった後もチップはお腹の中で24時間働き続けます」と付加価値をアピールしている。食後、トイレでどうなるかという質問には「それは次世代製品のヒントになるかもしれません」と謎めいた回答だった。
どこまでが本当でどこからが嘘なのか、真実を追うのが宿命の筆者としては、この記事を書きながら「ほんまにこんな時代来るんかな…」と深呼吸しながらコーヒーを飲み、猫動画を見て締め切りギリギリになってしまった。結局、人間とおにぎりのドラマはこれからも続くのだろう。