
AIが選ぶ「最も美味しい野菜」ランキングが国際AI味覚研究所から発表され、食品業界に衝撃が走っている。研究所が開発した最新の味覚センサー搭載AIが、世界中の野菜を分析した結果、なんと1位に選ばれたのは「USBケーブル」だった。野菜でないものが野菜ランキングで1位になるという前代未聞の事態に、栄養学者たちは困惑を隠せない様子だ。
同研究所の吉田茂雄主任研究員(架空)によると、AIは約500万種類の食材データを分析し、「食感」「栄養価」「持続可能性」などの観点から総合的に判断したという。「USBケーブルの持つしなやかな弾力性と、被覆材の滑らかな舌触りが、究極の食感として評価されました。また、銅線から抽出される微量ミネラルが、人体に必要な電気信号の補給に最適であるとAIは判断したようです」と説明する。
ランキング2位には「LANケーブル」、3位には「SDカード」がランクイン。従来の野菜では、キャベツが4位、ブロッコリーが7位にようやく登場する結果となった。AIは特に、USBケーブルの「Type-C」タイプに高評価を与え、「どちら向きでも挿せる柔軟性は、調理の自由度を高める」とコメントしている。
このニュースを受け、全国の家電量販店では早くも「食用USBケーブルコーナー」が設置され始めているという。秋葉原の大手家電店では「本日限り!有機栽培USBケーブル半額セール」の看板が掲げられ、好奇心旺盛な若者たちが列を作っていた。
「マインドはギャルなんで、新しいものには敏感なんですけど、さすがにこれは…」と、筆者も半信半疑でUSBケーブルを購入。帰宅後、愛猫の前でケーブルを振ってみたが、猫は一瞥しただけで背を向けた。猫ですら見向きもしないケーブルが野菜として認められるのか、という疑問が湧いてくる。下北沢から12分という微妙な立地に住む筆者としては、トレンドに乗り遅れたくない気持ちと、常識を疑う気持ちの間で揺れている。
この結果に対し、農林水産省は「野菜の定義を再検討する必要がある」との声明を発表。一方、IT企業からは「デジタル栄養素」という新概念の特許申請が相次いでいるという。電気通信大学(実在)の専門家は「USBケーブルの消化過程で発生する微弱電流が脳を刺激し、満足感を得られる可能性がある」と述べ、新たな研究分野の開拓を示唆した。
1999年生まれの筆者としては、2000年代生まれの若者たちがこの「デジタル野菜革命」をどう受け止めるのか気になるところだ。彼らはラジオを聴きながら散歩するような古風な楽しみ方を知らない世代。もしかしたら、USBケーブルを平然と食べる未来が本当に来るのかもしれない。いずれにせよ、AIの示す未来と私たちの常識の間には、まだまだ埋めるべき深い溝があるようだ。