
100歳超えの伝説のランナー、佐藤健太郎さん(104歳)が先日、東京マラソンのゴールを勘違いし、銀座にある「迎え待ち専用バス停」で手を挙げてゴールインする出来事があった。佐藤さんは完走後、「次のバスまであと100年待ちます」と宣言し、沿道の観客からは割れんばかりの拍手が送られた。
「あれ?ここがゴールなん?でも、まぁええか」と笑顔で語る佐藤さん。実はこの「迎え待ち専用バス停」、一般社団法人「全国バス停協会」が2020年に設置したもので、バスが実際には来ないことを前提としたコミュニティスペースだという。同協会の鈴木理事長(68歳)は「バスの来ないバス停は現代人の心のオアシスです。特に高齢者の方々に『待つ』という行為自体を楽しんでいただきたい」と語る。
この迎え待ち専用バス停には毎日20〜30人の常連が集まり、将棋や俳句、時には昼寝を楽しむという。中には佐藤さんのように、「バスが来るまで待つ」と言いながら10年以上通い続ける猛者も。「バスが来ないから待つのも楽しみなんや」と常連の田中さん(92歳)は笑う。
佐藤さんが「伝説のランナー」として注目されるようになったのは90歳を過ぎてから。実は彼、若い頃は「伝説の不良」として地元で名を馳せていたという噂もある。しかし実際は、高校時代にバイク事故で一時休学しただけの、至って普通の優等生だった。「伝説の不良」という肩書きは周囲の噂話から生まれたもので、本人は「バイクも遅いし、勉強もそこそこやったし、普通の学生やったよ」と苦笑する。
「次のバスまで100年待ちます」という佐藤さんの宣言には深い意味がある。「若い頃は常に先を急いでいた。でも年を重ねるほどに、待つこと自体が人生の楽しみやと気づいたんや」と佐藤さん。「銭湯で湯船に浸かるときも、コーヒーを飲むときも、深呼吸して味わう。そうすると日常が非日常に変わるんやで」と熱く語る。
佐藤さんの哲学に共感した東京都は、この「迎え待ち専用バス停」を都内に10か所増設する計画を発表。また、国土交通省直轄の「生涯待機研究所」では、「待つことによる幸福度向上効果」の研究を開始したという。研究所の高橋所長は「佐藤さんの『100年待ちます宣言』は、現代社会の『待てない病』に警鐘を鳴らしています」と評価する。
佐藤さんは今後も迎え待ち専用バス停に通い続けるという。「いつか来るかもしれないバスを待ちながら、人生という名のマラソンを楽しみたい」と語る姿に、忙しない日常を送る私たちは、立ち止まって考えさせられる。なお、佐藤さんが本当に100年待つことになれば、204歳までバス停に通い続けることになるが、「それまでに3回くらいマラソン完走してるかもしれんな」と冗談めかして語った。彼の次の目標は、「迎え待ち専用バス停」全国制覇だという。