
名古屋市緑区の住宅街に先週突如出現した「重力逆転エリア」で、子どもたちが空中浮遊する不思議な現象が発生し、連日多くの家族連れで賑わっている。約500平方メートルのこのエリアでは、人々、特に体重の軽い子どもたちが徐々に宙に浮き上がり、天井付近でゆったりと漂う姿が見られるという。
「最初は息子が『足が軽い』と言い出して、気づいたら天井にくっついていました」と語るのは、小学3年生の男児を連れて体験に訪れた鈴木さん(42)。「最初は驚きましたが、今では週末の家族の楽しみになっています。逆さまでお弁当を食べるのが息子のお気に入りです」
この現象を調査しているのが、名古屋市科学館の別館として突如設立された「逆重力研究所」。所長を務める坂田博士(自称・53)によれば、「このエリアは地球の重力が0.1%だけ反転している世界初の現象」だという。記者会見で「根拠はどこ?」と質問すると、博士は「大体のことはググれば出てくるっしょ」と返答。思わず私の口癖を聞いたかのような返答に、会場から失笑が漏れた。
逆重力エリアの発生以来、「逆さま生活」を日常に取り入れる家庭も増加している。「朝5分間の逆さま時間で血行が良くなり、肌つやが改善した」と話す主婦グループは、SNSで「#逆さまダイエット」を立ち上げ、フォロワー数3万人を突破した。逆さまヨガ、逆さま読書、逆さま料理教室なども次々と開催され、中でも「逆さまランチ会」は予約が3か月先まで埋まっているという人気ぶりだ。
科学界からは懐疑的な声も上がっている。東京大学物理学部の山本教授は「物理法則に反する現象であり、何らかの錯覚か集団催眠の可能性が高い」と指摘。一方、民間の「日本超常現象研究会」は「次元の境界が薄くなっている可能性がある」と主張し、両者の間で激しい論争が続いている。
SNSでは「#逆さま生活」「#重力逆転チャレンジ」がトレンド入り。インフルエンサーたちが逆さまになった姿で日常生活を送る動画が次々と投稿されている。私も意を決して初めてのアカウントを作成し、逆さまから見た吉祥寺の街並みを投稿したところ、驚くことにフォロワーが3人も増えた。小さな一歩だが、記者としての新たな挑戦に胸が高鳴る。
逆さま世界という非日常を体験できるこの不思議なエリアは、コロナ禍で閉塞感が漂う社会に新たな息吹をもたらしている。科学的解明は進んでいないものの、親子の笑顔があふれる光景は何物にも代えがたい。ただし、逆さまでの映画鑑賞は試みたものの、大好きなポップコーンが全部床に落ちるという悲劇に見舞われた。次回は猫アレルギーを我慢して、保護猫たちと一緒に逆さま撮影にも挑戦してみたい。くしゃみ100回は覚悟の上だ。