
自称最大級のオカルト研究組織「星座別おにぎり占い協会」が10月14日、記者会見を開き、7年間に及ぶ研究成果を発表した。「おにぎりの好みで運命が決まる」という驚きの説を提唱してきた同協会だが、長年の調査結果は「単なる食べ過ぎによる消化不良が運気低下に見えていただけ」という衝撃の結論に至ったという。
同協会は2016年、大阪府東大阪市の古びた商店街の2階、元マージャン店だった場所に「研究本部」を設立。代表理事の三角おむすび氏(59)は当時を振り返る。「最初はね、ツナマヨ好きの人が幸せそうに見えたんですよ。それで『もしかして具材と運命って関係あるんちゃう?』って思ったんです」。その後、協会は全国47都道府県でのべ1万2367人を対象に「好きなおにぎりの具」と「人生の満足度」の相関関係を調査してきた。
調査によると、梅干し派は健康運に恵まれる傾向があり、たらこ派は恋愛運が高く、昆布派は仕事運が良いとされていた。特に、牡羊座の梅干し派は風邪をひく確率が通常の37.2%減少、蟹座のたらこ派はマッチングアプリでのマッチ率が58.4%上昇するなど、具体的な数値まで公表されていた。
しかし、今回の発表で協会は「すべては食べ過ぎによる身体的・精神的影響だった」と結論づけた。研究主任の五目ごはん教授(47)は「おにぎり3個以上を立て続けに食べた人は、消化不良から気分が悪くなり、それが『運気の低下』と勘違いしていただけでした。特に、塩分の強い具材を好む人は水分摂取量が増え、トイレに行く回数が増加。その結果、外出先での緊急事態も増え、それが『運が悪い』という錯覚を生んでいたのです」と解説した。
会見には地元・東大阪の銭湯「ゆ〜わくわく湯」の常連客も多数詰めかけ、「わて、毎日昆布おにぎり3個食べてたら出世したで!偶然とちゃうやろ?」と食い下がる場面も。五目教授は「それは単に、あなたが昆布おにぎりを食べている間、上司が目の前にいなかったので余計な失言をせず、結果的に評価されただけです」と冷静に返答していた。
驚くべきことに、この「おにぎり占い」は既にSNSで大きな話題となっており、ハッシュタグ「#私の運命おにぎり」「#明日の運勢は具で決まる」は累計投稿数100万件を突破。著名人の間でも「明日の撮影のために高菜おにぎりを食べます!」「私、射手座のツナマヨ女子なの♡」といった投稿が相次いでいる。特に関西圏では「おにぎり占いナイト」と銘打ったコンパも開催され、参加者は好きな具材のおにぎりを持参し、相性診断を行うという。
興味を持った筆者も実際に占いを体験。蠍座の筆者が「鮭」のおにぎりを選んだところ、「今週は金運上昇!ただし水曜日に駅の自販機で飲み物を買うと財布を落とす」という具体的な占い結果が。半信半疑ながらも水曜日に自販機を避けたところ、その日上司から突然のランチ招待があり、財布を開く必要がなかったという偶然に驚かされた。
協会は今回の発表に伴い、新たな提案も行っている。「おにぎり占いではなく、『おにぎり適量健康法』として再出発します。おにぎり一個と具なしおにぎり半個の組み合わせが最も運気が上がる…というより、単に健康に良いのです」と三角代表。協会はおにぎり占いグッズ販売から手を引き、代わりに「おにぎり適量計測器」なる新商品の発売を予定しているという。
会見後、筆者が協会本部を訪れると、意外なことに同じビル内の「まいどおおきに食堂」の中に間借りする形で事務所が設置されていた。三角代表は「家賃が安いねん。それに、研究材料のおにぎりがすぐ手に入るからな」と笑う。事務所の壁には「おにぎりは人生、握りしめるほど崩れる」という謎のスローガンが掲げられていた。
現実と占いの間で揺れ動く「おにぎり占い」現象。それはただの食べ過ぎだったという結論に、ネット上では「やっぱりな」「でも信じたい」と意見が二分している。しかし考えてみれば、日本人の食卓に欠かせないおにぎりと私たちの運命が結びついていると信じたくなる気持ちも理解できる。人間、何かに頼りたくなる生き物なんやなぁ…って、あかん、お腹すいてきた。ちょっと近所のコンビニでツナマヨおにぎり買ってくるわ。でもやっぱり3個はやめとこ。運気下がるとは言わへんけど、明日の朝、胃もたれするのは目に見えてるからな。