
マリオカート大学(大阪府東大阪市)は21日、通勤用ドローンカートの開発に成功したと発表した。地上の渋滞を回避し、空中を自由に移動できる革新的な乗り物として注目を集めているが、試験導入したビジネスパーソンの多くが「空中で迷子になった」との声が続出している。
「カートに乗るだけで会社に到着」をコンセプトに開発されたこのドローンカートは、小型のカートにドローン技術を搭載。地上から最大50メートルの高さを飛行でき、理論上は通勤時間を最大60%削減できるという。
「朝の通勤ラッシュがなくなる革命的な乗り物です」と語るのは、マリオカート大学ドローン工学部の星野飛雄教授。「町工場が集まる東大阪の技術の粋を集めました。祖父の鉄工所…いや、町工場の技術も一部活用しています」と胸を張る。
しかし、実際に試験運用した結果は思わぬ方向へ。モニターとなった200人のビジネスパーソンのうち、198人が「空中で迷子になった」と報告。残りの2人も「会社に着いたと思ったら競馬場だった」「気づいたら隣県にいた」など、正確な目的地到着には至っていない。
試験モニターの一人、営業マン・田中誠司さん(42)は「地図アプリを見ながら操作していたのに、上空100メートルで突然『圏外』になってしまって…」と肩を落とす。「フワフワしているうちに高円寺に着くはずが、気づいたら銭湯の屋根の上にいました。お湯加熱中で熱かったです」と振り返った。
この事態を受け、架空の研究機関「全日本空中交通研究所」の佐藤雲太郎所長は「空の道は地上と違って目印がない。迷子は慣れの問題だ」と楽観的な見解を示す。「江戸時代の人々が初めて電車に乗った時も戸惑ったはず。いずれ空中GPSの精度も上がり、解決するでしょう」
同研究所が発表した「空中通勤意識調査」によると、ドローンカート利用者の87%が「二度と乗りたくない」と回答。その理由として「鳥の群れに追いかけられた」「雲の中で方向感覚を完全に失った」「コンビニに寄ろうとして着陸に失敗し、古着屋の店先に突っ込んだ」などが挙げられている。
マリオカート大学側は「問題を一つ一つ解決し、来年度の本格導入を目指す」と意気込む。新たな対策として「空中信号機の設置」「雲の形を目印にした空中ナビゲーション」「迷子になった場合の緊急着陸クッション」などを検討中だという。
最後に星野教授は「通勤革命はまだ諦めていません。ドローンカートの次は『テレポート通勤』の研究も始めています」と意欲を見せた。しかし、テレポート実験に参加した研究員が「体は会社に着いたのに、心だけ自宅のベッドに残ってしまった」との報告もあり、新たな課題も浮上している。「真実を追うのが俺たちの宿命やろ?」と語る地元記者によれば、マリオカート大学の次なる野望は「夢の通勤」から「夢を見ながらの通勤」へと、さらに現実離れしていくようだ。