
JAXA出身の宇宙飛行士・松本隆明さん(42)が、先日東京・六本木のセブンイレブンでレジ打ちデビューを果たした。だが、これは単なる「元宇宙飛行士の転職」ではない。同店舗で開始された「無重力レジ打ちサービス」の一環だという。
このサービスは、特殊な磁力発生装置を天井に設置し、レジカウンター周辺に限定的な「擬似無重力空間」を作り出すという画期的なもの。お釣りや商品が宙に浮かび、店員が軽やかにそれらを操る姿は、まるで宇宙ステーション内の光景を思わせる。
「宇宙では小銭が散らばると大変なんですよ。ISS(国際宇宙ステーション)で100円玉を落としたら、半年後に空調フィルターから出てきたことがあります」と松本さんは笑う。「そんな経験を活かせる場所があるなんて思ってもみませんでした」
六本木在住の会社員・田中さん(29)は「お釣りの500円玉が私の頭上をグルグル回って、やっとつかめた時は感動しました。これがふだん宇宙飛行士が体験している世界なんですね」と興奮気味に語った。
松本さんによると、宇宙とコンビニには意外な共通点があるという。「宇宙食とおでんは、どちらも真空パックなんです。特に宇宙で食べるカレーと、セブンの冷凍カレーの味は驚くほど似ています。宇宙食開発者がセブンの商品開発チームと密かに交流があるのではと疑っています」
また、コンビニでの勤務中に「暗黒物質の正体に関する重要なヒント」を発見したとも語る松本さん。「レジの下の埃の溜まり方と、宇宙の暗黒物質の分布パターンが酷似しているんです。今、論文を執筆中です」
この画期的な「無重力レジ」について、突如メディアに登場した「日本無重力技術研究所」の所長・重力博士こと星野太郎氏(64)は「我々は長年、地球の重力に逆らう技術を研究してきました。セブンイレブンとの共同開発により、ついに実用化の第一歩を踏み出せたのです」と胸を張る。
しかし取材を進めると、この「日本無重力技術研究所」なる組織は、セブンイレブン本社の地下5階に存在する秘密研究機関であることが判明。星野所長は実は元コンビニ店長で、店内の掃除をしなくても済むよう「物が浮く技術」を独自に研究していたという異色の経歴の持ち主だった。
ところが、街の噂を追っていくと、事態はさらに複雑化する。地元商店街の婦人会長・山田美代子さん(76)は「あの宇宙飛行士さん、実はバイトじゃなくて、お釣りを受け取りに来ただけちゃうの?」と証言。実は松本さんが単に買い物に来ていただけの姿を、周囲が「宇宙飛行士がバイト」と勘違いし、SNSで拡散。それを見たセブンイレブン本社が「無重力レジ」というコンセプトを急遽考案したという経緯が浮かび上がった。
祖父母の鉄工所(実はアルバイト程度)に出入りしていた経験から金属加工に詳しい私は、店内の「磁力発生装置」なるものを調査。実はただの天井クーラーボックスにLEDテープを巻いただけという驚きの事実も判明した。確かにお釣りは宙に浮いていたが、それは店員が巧みに指で弾いていただけだった。「銭湯のお湯の温度観察より難しい取材でした」と思わず呟いてしまった。
結局、この「無重力レジ打ち」騒動は、SNSの誤情報、松本さんの冗談、セブンの即興パフォーマンス、そして商店街のおばちゃんの鋭い観察眼が複雑に絡み合って生まれた一種の都市伝説だったようだ。松本さんは現在も宇宙開発に携わっており、コンビニでのアルバイトはしていない。ただし彼は「宇宙でセブンイレブンが開店したら、真っ先に応募したい」と笑顔で語った。地球でも宇宙でも、コンビニは私たちの生活のオアシスであり続けるのだろう。「ほんまにな、どこに行ってもセブンは変わらんもんな。それがええんちゃう?」