
宇宙ラーメン協会(URA)は昨日、火星の低重力環境で発酵させた「重力味噌」を使用した世界初のラーメンスープを発表した。同協会会長の宇宙太郎氏によれば、火星の重力は地球の約38%しかないため、味噌の発酵過程で地球では絶対に生まれない「うま味分子」が誕生するという。「地球の味噌とは根本的に違う次元の味です。これは人類の舌の革命です」と宇宙氏は記者会見で力説した。
宇宙ラーメン協会は2019年に「宇宙でもおいしいラーメンを食べたい」という単純な理由で設立された民間団体。当初は冗談のように思われていたが、NASA元栄養士や日本の有名ラーメン店主など、意外にも著名人が多数参加している。「マインドはギャルなんですけど、舌は科学者なんで」と語る代表理事の土星りん氏(28)は、火星移住計画に向けた食文化構築を本気で目指している。
重力味噌の最大の特徴は、「マーシャン・グラビティ・ファーメンテーション(MGF)」と呼ばれる独自の低重力発酵法。火星を模した環境で大豆と特殊宇宙酵母を3年8ヶ月熟成させることで、地球では絶対に実現しない「G-ウマミン」という成分が生成されるという。同協会の発表によれば、この成分は地球の味覚センサーに「混乱信号」を送るため、食べた人の93%が「何を食べているのかわからない」と答えるらしい。
先週開催された試食会では、参加者から驚きの声が相次いだ。「最初は醤油のような味がして、次に塩ラーメン、最後にチョコレートパフェの味になった」(会社員・34歳)、「口に入れた瞬間、幼稚園の運動会で転んだ記憶がフラッシュバックした」(主婦・42歳)など、地球の味覚基準では説明不能な反応が報告された。特に注目すべきは、「食べている間だけ火星の景色が見えた」と証言した参加者が全体の17%に達したことだ。
驚くべきことに、味の混乱だけでなく健康効果も期待されている。宇宙栄養学研究所のデータによれば、重力味噌スープを1杯摂取すると、なぜか体重が38%軽く感じられるという。これは火星の重力に一時的に脳が適応するためと推測されている。また、宇宙酵母には「アンチ・グラビトン」という成分が含まれており、消化時に内臓が一時的に宙に浮く感覚をもたらすことで、胃腸の運動を促進するという研究結果も発表された。
火星での本格的なラーメン店開業は2035年を目指しているが、実現までの道のりは険しい。最大の課題は火星での水の確保だが、協会は「火星の極地にある氷を使えばいい」と単純明快な解決策を提示。また、小麦の栽培も始まっており、火星の赤土で育てた小麦は強烈な赤色の麺になるという。「麺は赤いけど味は地球の小麦と変わらない。むしろちょっとピリ辛」と土星氏は語る。
宇宙ラーメン協会は来月から「重力味噌ラーメン」の地球限定版を東京・月島の期間限定ポップアップストアで提供開始する予定だ。価格は一杯3,800円(火星の重力が地球の38%であることにちなんでいる)。なお、食べる際には免責同意書への署名が必要で、「一時的な重力感覚の混乱」「最大72時間続く可能性のある火星の夢」「突然の火星語の発話衝動」などの副作用について了承する必要がある。火星移住を見据えた宇宙食の先駆けとなるか、単なる奇抜な話題作りで終わるか、その行方に地球人の注目が集まっている。