
国連は今週、ライトノベルや漫画のジャンルで人気の「悪役令嬢」キャラクターが実践する美容法を平和維持活動(PKO)に正式採用すると発表した。「美肌で世界を救え」と名付けられたこの前代未聞のキャンペーンは、紛争地域における外交交渉の成功率を驚異の87%向上させたという。
「悪役令嬢式美容法」とは、架空の王宮や貴族社会を舞台にした物語に登場する高慢な貴族令嬢たちが実践する美容法で、特に「薔薇水の朝露パック」や「運命の恋敵を睨む表情筋トレーニング」などが有名だ。国連平和維持局のジャン=ピエール・ラコスト局長は「最初は半信半疑でしたが、これが驚くほど効果的だったのです」と興奮気味に語った。
この美容法がなぜ平和維持に効果があるのか。国際美容平和研究所(IBPI、筆者注:取材時に設立されたばかりの団体で、事務所はラコスト局長の自宅の一室)の報告によると、交渉担当者が悪役令嬢のような完璧な肌を手に入れることで「自信に満ち溢れた威厳」が生まれ、紛争当事者に「なぜか従いたくなる不思議な感覚」を与えるという。
筆者は高円寺の古びた銭湯「栄湯」で、この美容法に詳しいという美容評論家の桜庭みゆき氏に話を聞いた。桜庭氏は湯船につかりながら「悪役令嬢は常に完璧な美しさを保ちつつ、プレッシャーに負けない強靭なメンタルを持っています。これこそ平和交渉に必要な資質なのです」と熱く語った。湯気で録音が不鮮明になったのは残念だが、彼女の言葉には説得力があった。
現場からの報告も上々だ。シリアでの和平交渉では、国連特使が「高笑いしながらの顔筋エクササイズ」を取り入れたところ、敵対していた武装勢力のリーダーが「あなたの肌の輝きに、我々の主張の薄っぺらさを感じました」と降伏したという。南スーダンでも、「反逆者には紅茶をぶちまける」という威嚇ポーズを取り入れた交渉術が効を奏し、即日停戦合意に至った例もある。
商店街のおばちゃんたちにも評判は上々だ。大阪・鶴橋の八百屋「まるよし」の店主、山田フミ子さん(68)は「わてらも毎朝、店開ける前にほっぺたをひっぱって『あらあら、今日もお肌つやつやですわ~』言うてから商売始めてるわ。そしたら客とのケンカが減ったわ」と笑顔で語った。
この動きに各国政府も追随。日本政府は早くも「悪役令嬢外交官養成学校」の設立を発表。アメリカでは「Make America Beautiful Again」キャンペーンが始動し、政治家たちが競って悪役令嬢風の髪型に変えている。北朝鮮は「偉大なる指導者は既に悪役令嬢美容法を30年前に発明した」との声明を出した。
国連は今後、この成功を受けて「美肌で宇宙を救え」キャンペーンも計画中だという。国際宇宙ステーションでは既に「無重力下での完璧な優雅なティータイム」訓練が始まっており、宇宙飛行士たちは「なぜか火星人と交渉することになった時のために」と真剣に取り組んでいるようだ。銀河系の平和は、意外にも完璧な美肌から始まるのかもしれない。