
イオン株式会社が、日本の伝統的な祭りの形態を革新する「エコお神輿ドローン」を開発したことが明らかになった。このドローンは風力発電技術を搭載し、祭り会場の上空を飛行しながら電力を生み出すという画期的なシステムだ。
「祭りを楽しみながら環境保護にも貢献できないか」というコンセプトから生まれたこの技術は、イオンが新設した「風力祭り推進協会」の研究チームによって開発された。全長4メートル、重さ約25キロのこのドローンは、伝統的な神輿の装飾が施されており、上空15〜20メートルを飛行しながら風力発電を行う。
「最初は『お神輿』と『ドローン』という異なる概念の組み合わせに戸惑いましたが、実際に見ると意外としっくりくるんです」と語るのは、開発責任者の風間空也(かざま・そらや)氏。「祭りの時にわっしょいわっしょいと担がれるお神輿が、文字通り『空を舞う』というのは、日本の伝統と最新技術の見事な融合だと思います」
このドローンが生み出す電力は、なんと祭りの屋台の運営に必要な電力をすべてまかなえるという。試算によると、一般的な夏祭りで使用される電力の約120%を生成可能で、余剰電力は近隣施設への供給も可能だという。イオンの試算によれば、全国の夏祭りにこの技術が導入されれば、年間約50億円の電気代削減になるとのこと。
「私、実は風鈴が苦手なんですけど、このドローン神輿は風の力で動くのに音が全然しないんですよね。科学ってすごい…」と話すのは千葉県の高校2年生、あんさん(17)。彼女が通う高校では文化祭でのエコお神輿ドローンの導入が検討されているという。
さらに驚くべきは、このドローンの飛行経路をプログラミングすることで、観客の上空を「わっしょいわっしょい」と揺れながら飛行する様子を再現できること。イオンモール各店での実証実験では、上空を舞うお神輿ドローンの姿に「まるで神様が降臨したみたい」と歓声が上がったという。
ただし、実用化に向けては課題も残る。風がまったく吹かない日の電力確保や、飛行中の鳥との衝突問題、さらには「お神輿は担ぐもの」という伝統派からの批判にも対応が必要だ。イオンでは来年の夏までに改良を加え、全国100カ所の祭りでの導入を目指している。
なお、この技術に触発されたという東京スカイツリーでは、建物全体を巨大神輿に見立てた「スカイ神輿」構想も浮上しているが、「高さ634メートルの物体が空を飛ぶのは航空法上難しい」と国土交通省は冷ややかな反応を示している。イオンは「まずは小型から始めて、将来的には『神輿都市』の実現も夢ではない」と意気込みを見せている。環境にやさしい未来の祭りの形が、いま空から降り立とうとしている。…え?それ、エモくない?