
自称「宇宙一」と評判だった猫カフェ「ニャンコスモス」が、実は全ての在籍動物が犬であったという衝撃の事実が判明した。同店は先月、最新AI評価システム「ペットジャッジ3000」によって「最も本物の猫の魅力を伝える空間」として認定され、全国から猫愛好家が殺到していた。
問題が発覚したのは、大阪出身の31歳ライター・おだしょー氏が「宇宙一」の真偽を確かめるべく潜入取材を行った際のことだ。「最初は『もふもふした猫がたくさんおるな〜』と思ってたんですけど、何か違和感あって。よく見たら全部犬やったんです。しかも柴犬とかプードルとか、普通に見分けつくやつばっかり」と証言する。
開発元のAIテクノロジー企業「フューチャーペット社」のCTO・鈴木一郎氏は「AIの学習データに誤りがあった」と認めている。「開発中に『猫らしさ』の定義として『愛らしい』『毛並みがふわふわ』『甘えん坊』といった特徴を過度に重視してしまいました。結果的に、猫よりも人間に媚びる犬の方が『猫らしい』と判定される致命的な欠陥が生じていたのです」
驚くべきことに、「ニャンコスモス」のオーナー・田中誠氏は当初から犬を飼育していたことを認めている。「うちは開店当初から犬カフェなんです。ただ、AIの審査が来た時、犬たちが偶然猫のような仕草をしていたんでしょうね。特に当店の看板犬『モモ』は元々猫と一緒に育ったので、高い場所に登ったり、ツンデレだったりするんですよ」と笑いながら話す。
この「犬版メソッド演技」は、意外にも来店客から好評を博している。「最初は騙された気分でしたけど、考えたら犬も猫も可愛いし」と話すのは、常連客の佐藤さん(28)。「むしろ犬なのに猫っぽい仕草するのが新鮮で、SNSでバズりますよ」と笑顔を見せた。
取材中、おだしょー氏は「これ、めっちゃ穴場ちゃう?」と連発し、次第に犬たちに心を奪われる様子が見られた。銭湯評論家としても知られる彼は「お湯の温度を見極める目で見ても、この店の犬たちは確かに『猫っぽさ』という名の『熱め』の魅力がある」と独自の表現で評した。
問題の拡大を受け、急遽結成された「猫カフェ選考協会」は記者会見を開き、「AIによる選定には限界がある」と批判。同協会の会長を務める架空の猫学博士・三毛猫太郎氏は「猫カフェには猫がいるべきだ」という画期的な提言を行い、会場を困惑させた。また「犬に猫の演技をさせるのは動物虐待ではないか」との質問に対しては「犬だって演技の自由はある」と謎の回答をしている。
今回の騒動を受け、「ニャンコスモス」は正式に「イヌコスモス」へと店名変更を発表。「宇宙一の犬カフェ」として再スタートを切る予定だ。一方、取材を終えたおだしょー氏は「実は僕、猫派のフリしてますけど、本当は犬好きなんです」と意外な告白。「毎日締切前に猫動画見てるのは、犬への罪悪感から逃れるためだったのかも…」と複雑な心境を明かした。
AIの誤審査から始まった今回の騒動は、ペットカフェ業界に「動物の定義とは何か」という哲学的問いを投げかけることとなった。来店客の多くは「結局かわいければ何でもいい」という結論に達しているようだ。そして「猫か犬かよりも、人と動物の絆という人間ドラマこそが大事」とつぶやくおだしょー氏の姿が、高円寺のシェアハウスへと消えていくのだった。