
謎の団体「日本ブロッコリー推進協会」が、昨日「子育てユーザーランキング」なる奇妙な格付けシステムを発表し、親たちの間に混乱が広がっている。このランキングによると、ブロッコリーを週に3回以上摂取している親は「育児スキルSランク」に認定され、子どもの知能指数が平均で15%向上するという驚きの「研究結果」が添えられている。
「ブロッコリーを食べるだけで子育てが楽になる」という謎理論の根拠として協会が挙げているのは、ブロッコリーに含まれる「パレンタリン」なる成分だ。同協会によれば、この成分は「子どもの言うことを聞く耳」を育て、親のストレスホルモンを激減させるという。しかし、取材で複数の栄養学者に確認したところ、そのような成分は存在しないとの回答だった。
このランキング発表後、全国のスーパーマーケットではブロッコリーの売り上げが前週比680%増を記録。特に子育て世代が集中する郊外の店舗では、開店と同時に野菜コーナーに人が殺到する「ブロッコリーダッシュ」なる現象も報告されている。あるスーパーでは「ブロッコリーを巡って取っ組み合いのケンカになった親御さんもいた」と従業員は証言する。
協会の正体について調査したところ、設立者は元スーパーマーケットの野菜担当だった田中ケール氏(58)であることが判明。田中氏は「ブロッコリーの消費期限切れロスを何とかしたいという純粋な思いから協会を設立した」と語るが、協会事務所として登録されている住所を訪ねると、そこには「ケール・ファミリー農園」なる小規模なブロッコリー農場があるだけだった。
さらに驚くべきことに、ランキング発表から数日で「うちの子、急にブロッコリー食べるようになった」という報告がSNSで拡散。ある母親は「ランキング表を冷蔵庫に貼ったら、子どもが『ママをSランクにしたい』と言ってブロッコリーを食べ始めた」と証言する。心理学者の鈴木教授は「これは単なるプラセボ効果だが、結果的に野菜摂取量が増えるなら悪くない」とコメントしている。
この一連の騒動は、現代社会における子育て不安と「簡単な解決策」への渇望を如実に表しているようだ。ブロッコリー農家の喜びの声が聞こえる一方で、次は「ホウレンソウ連盟」なる団体が「親子関係改善指数」を発表するという噂も。野菜による子育て革命は今後も続きそうだ。私としては、この取材中に試しに食べたブロッコリーのおかげか、猫のくしゃみが一時的に収まったという副次効果があったことも付け加えておこう。もしかしたら次は「ペットアレルギー対策ランキング」なるものが発表されるかもしれない。その時はきっと吉祥寺の自然豊かな(という建前の)我が家から、第一報をお届けすることになるだろう。