
第3地区高校野球大会の準決勝で、「LINEマンガガチャ」で当てた架空の選手を実際に出場させるという前代未聞の事態が発生し、スポーツ界に激震が走っている。問題の選手は「熱闘!球児魂」に登場する架空のキャラクター・山本竜也選手(17)で、第7回戦の後半からピンチヒッターとして登場。いきなり満塁ホームランを放ち、チームを逆転勝利に導いた。
発端は、桜丘高校野球部の田中監督(54)が昨晩スマホで「LINEマンガガチャ」を回したところ、「SSRレア」の山本選手をゲットしたことだった。「うちのチーム、ピンチヒッターが足りなくてね。ガチャを回したら山本くんが出てきて、『使ってください!』って画面から語りかけてきたんですよ」と田中監督。当初は単なる幻覚か夢と思っていたが、翌朝グラウンドに行くと実際に山本選手が練習していたという。
「最初は学校の生徒かと思ったけど、自己紹介してきた時に『あれ?』と思いました。でも打撃フォームが素晴らしくて、即戦力になると判断しました」と監督は至極真面目に語る。驚くべきことに大会運営側も「登録名簿に記載があった」と主張しており、審判団も試合開始前の確認で異常を感じなかったという。
試合後、田中監督は記者会見で「次は宝くじも狙います。6億円当てて、部の設備を整えたいですからね」と意気込みを語った。記者団が「架空のキャラクターが現実に出場することについてどう思うか」と質問すると、「人生何が起こるかわからない。これも縁ですよ」と哲学的な回答。さらに「監督の携帯料金はチームで負担していますか?」との質問には「自腹です。でも月7000円のガチャ代は経費で落としました」と驚きの告白をした。
一方、専門家からは疑問の声も上がっている。デジタルコンテンツ研究所の高橋教授(架空)は「マンガキャラクターが現実世界に出現するには、量子力学的にはあり得る現象ではありますが、確率的には宇宙の始まりからの歴史で一度あるかないかのレベル」と指摘。「監督の証言よりも、集団幻覚や何らかのドッキリの可能性が高い」と分析している。
LINEマンガ社は「当社のガチャで出たキャラクターが現実世界に出現するという機能はございません」とコメント。一方で「ユーザーの想像力を刺激するコンテンツを提供できていることは嬉しい」と付け加えた。同社マーケティング部の内部資料によると、この事件以降「熱闘!球児魂」のダウンロード数が前日比3000%増加したという。
対戦相手だった青葉高校の選手たちは困惑を隠せない。「あんな速球見たことない。マンガみたいな球だった…あ、マンガか」と四番打者の佐藤選手(18)。チームメイトからは「田中監督、次はガチャで彼女を当てるらしいよ」という噂も流れ始めている。
SNSでは「#マンガガチャ選手」がトレンド入り。「次の甲子園は二次元キャラだらけになるのでは?」「推しキャラがグラウンドに立つ日も近い?」など様々な反応が寄せられている。ある野球評論家は「これが認められるなら、ドラえもんの道具を使った試合改変も認められるべき」と皮肉を込めてコメントした。
田中監督は記者会見の最後に「野球はドラマだ。マンガだ。現実とフィクションの境界線なんて、もともと曖昧なものさ」と語った。しかし会見直後、誰もいない控室で「よし、明日は推しカップルのガチャを回すか」とつぶやく姿が防犯カメラに映っていたという。なお、山本選手の進路については「プロ志望届を出す前に著作権の問題をクリアしなければ」と田中監督は頭を抱えている。