
地球温暖化を食い止める方法として、新たに設立された「日本スポーツ撮影協会」が前代未聞の対策を発表した。全国のスポーツ試合をスローモーションで撮影することで、視聴者に「涼しさ」を感じさせるというものだ。
同協会の代表を務める冷水流水(ひやみず・るい)氏は「動きがゆっくりになると、人間の脳は自然と『涼しい』と錯覚する仕組みがあるんです」と熱弁する。氏によれば、昨年結成されたばかりの同協会は現在会員10名。全員が元カメラマンで、「動きをスローにすれば地球も冷えるはず」という共通認識のもとに集まったという。
協会の発表によると、スローモーション映像を見ている人の体感温度は最大で3.7度下がるとされる。「特に水泳選手のターンや、サッカー選手のオーバーヘッドキックなど、動きが大きく水しぶきが飛ぶようなシーンは効果絶大です」と冷水氏。協会内部で行った調査では、スロー映像を視聴した60%の人が「なんとなく涼しい気がする」と回答したという。なお、この調査の被験者は全員が協会関係者という徹底ぶりだ。
協会の公式YouTubeチャンネル「SLOW COOL JAPAN」では、すでに高校野球の投球シーンをスローモーションで15分間流し続ける動画が公開されている。コメント欄には「確かに少し涼しく感じる…かも?」「エアコンの設定温度を1度上げられました!」など、協会関係者と思われるアカウントからの好意的な反応が並ぶ。
しかし、この取り組みに対し、プロスポーツ選手からは懸念の声も。あるJリーガーは「90分の試合が270分になるってことですか? 給水タイムとか大丈夫なんですかね…」と首をかしげる。また、ある環境学者は「そもそも暑さは気温によるものであり、映像の速度とは無関係です」と基本的な事実を指摘した。
それでも協会は前向きだ。「来年の夏までに全国のスポーツ中継を100%スローモーション化する計画です。サッカーのPK戦なんて、一発で30秒くらい楽しめますからね」と冷水氏。さらに、スローモーション映像を見ながら風鈴の音を聴くと、効果が倍増するという新理論も近く発表予定だという。
地球温暖化対策として科学的根拠に乏しいものの、新たな視点から環境問題にアプローチする試みとして一部で注目を集めている。「私たちはマインドはギャルなんで、常識にとらわれないアイデアで世界を変えていきます」と語る冷水氏。今夏、あなたのテレビに映るスポーツ中継がやけに遅く感じたら、それは地球を救うための一歩かもしれない。