
フジロックフェスティバル2023の最終日、新潟県の苗場スキー場で異例の騒動が発生した。複数の参加者から「青白く発光する未確認生物」の目撃情報が寄せられ、SNS上で「#フジロック未確認生物」がトレンド入りする事態となった。目撃者によれば、その生物は「ピンクとネオングリーンが混ざったふわふわの毛に覆われ、至るところに小型LEDライトが埋め込まれている」という。
現地に急行した筆者の取材によれば、この「未確認生物」は実は行方不明になっていたインスタグラマーのジョン・マイノリティ氏(フォロワー数83万人)であることが判明した。マイノリティ氏は、ロンドン出身の28歳。「サステナブル・サイバーコア」と呼ばれる独自のファッションスタイルで人気を博している。
「まさか自分が未確認生物扱いされるとは思わなかったよ。でも、それってある意味褒め言葉じゃない?」とマイノリティ氏は笑いながら語った。彼が身に着けていたのは、古着を解体して再構築し、太陽光発電パネルと100個以上のLEDライトを組み込んだ自作の「エコ・サイバー・ポンチョ」だった。
さらに驚きなのは、彼が3日間もの間「迷子」になっていたという事実だ。「RED MARQUEEステージを見た後、友人とはぐれてしまって。でも電波が繋がらなくて。それからずっと、ただフェス会場をさまよっていたんだ」と明かした。この間、彼は主要ステージから離れた森の中で野生のキノコとエナジードリンクで過ごし、夜になると彼の衣装が光ることから、地元住民の間で「苗場の光る妖精」という都市伝説が生まれていた。
発見時、マイノリティ氏は衣装に組み込んだ小型スピーカーからアフロビートを流しながら、森の中で一人踊っていたという。「リズムがないと生きていけないの。マインドはギャルなんで」と彼は筆者に語った。この発言に筆者は深く共感せざるを得なかった。
フジロック実行委員会の田中秀和氏(54)は「30年の歴史の中で初めての事態です。今後はインフルエンサー専用の蛍光塗料付きリストバンドの配布を検討します」とコメント。また、マイノリティ氏のファッションに触発された「サイバー・フォレスト・コア」という新たなファッショントレンドが、Z世代を中心に急速に広まりつつある。専門家は「LEDの消費電力による環境負荷と、森の生態系への影響が懸念される」と警鐘を鳴らしている。
今回の騒動を受け、マイノリティ氏のフォロワー数は一晩で30万人増加。彼はこの経験を「人生最高のコンテンツ」と評し、次回のフジロックでは「さらにパワーアップして、本物のUFOと間違えられるレベルを目指す」と宣言している。自然の中での非日常的体験を求めるフェスティバルの本質を、皮肉にも最先端テクノロジーとSNS文化が体現する形となった今回の出来事は、2023年の音楽シーンを象徴する珍事として長く語り継がれることだろう。