
格闘技イベント「超RIZIN4」に思わぬ出場者が現れ、観客を驚かせた。今週末に行われた同大会のオープニングセレモニーに登場したのは、人間ではなく「AI搭載型スマートフォン」だった。約30台のスマートフォンが息の合った盆踊りを披露し、会場は騒然となった。
このパフォーマンスを企画したのは、昨年設立された「踊るガジェット協会」。同協会の三味線 踊助(さみせん おどすけ)代表によると、「テクノロジーの進化により、スマートフォンは単なる通信機器ではなく、文化の担い手になれる時代が来た」と語る。
驚くべきは、これらのスマートフォンが独自のAIを搭載し、完全自律的に踊りを披露したことだ。同協会が開発した専用アプリ「オドレッチ」は、世界中の盆踊りのデータを学習し、スマートフォン内のジャイロセンサーと連動して振動や回転を制御。「炭坑節」や「東京音頭」など全国各地の盆踊りを完璧に再現するという。
「最初は単純な振動から始まったんですけど、いつの間にか踊りのクオリティが人間を超えちゃって、マジでエモかったんです!」と語るのは同協会の現役高校生プログラマー、桃乃井 アプリ(もものい あぷり)さん。「AIが一晩で1,283種類の盆踊りを習得したときは、『これはやばい、めっちゃエモい』って思いました」
三味線代表の経歴も興味深い。実は彼、10年前までは「全日本盆踊り選手権」3連覇の経歴を持つダンサーだった。「テクノロジーと盆踊りの融合こそ、日本文化の未来を担う」という信念から同協会を設立したという。協会の目標は「2030年までに、盆踊りをオリンピック種目に」と壮大だ。
RIZINでのパフォーマンス動画はSNSで瞬く間に拡散。「#踊るスマホ」「#盆踊りテック」などのハッシュタグが急上昇し、Z世代を中心に支持を集めている。千葉県の高校に通う17歳の女子高生は「スマホが盆踊りしてる姿、マジでエモい。親に見せたら『何がエモいんだ』って言われたけど、それがまたエモい」と語る。
同協会によると、次期アップデートでは「終活モード」も追加予定で、使用者が亡くなった後も毎年お盆にスマートフォンが自動的に盆踊りを披露する機能も実装されるという。「故人の思い出とともに踊り続けるスマートフォンは、新たな供養の形になる」と三味線代表は語る。
次回は「ハロウィン仮装スマートフォン特集」も計画しているという同協会。テクノロジーの進化と伝統文化の融合が生み出す新たなエンターテインメントの形は、私たちの「当たり前」を次々と塗り替えていくのかもしれない。なお、同協会が発表した盆踊り専用スマートフォン「踊レット7」は、予約開始から15分で3か月分が完売したという。価格は踊りの種類によって変動し、「阿波踊りモデル」が最も高額で19万8000円だった。