
人気スマホゲーム「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス(FFBE)」の人気キャラクター「氷炎の騎士ラスウェル」が、来月の参議院補欠選挙に無所属で立候補することが明らかになった。出馬の理由について、ラスウェル陣営は「二次元と三次元の壁を超えて、現実世界の環境問題を解決するため」と説明している。
ラスウェルは「氷魔法ブリザガによる温暖化ガス完全凍結」を主な公約に掲げており、政見放送では「CO2も、メタンも、フロンガスも、すべて氷の牢獄に閉じ込めて解決します!」と力強く宣言。さらに「魔法の消費MPはすべて再生可能エネルギーでまかなう」として、SDGsへの配慮もアピールしている。
この異例の立候補に対し、架空の研究機関「魔法環境科学大学」の鈴木幻想教授(48)は「ファンタジー世界の魔法による環境問題へのアプローチは、従来の科学技術では解決できなかった課題に新たな視点をもたらす」と支持を表明。同大学が実施した調査によれば「魔法による温暖化対策」に「大いに期待する」と回答した人は全体の87%に上ったという。
一方、選挙管理委員会は「二次元キャラクターの立候補資格」について緊急会議を開催。最終的に「メタバース時代における次元間の政治参加の先駆け」として特例で認可されたが、「投票用紙には実写ではなく、ゲーム内のドット絵を使用する」という異例の対応となった。
ラスウェルの選挙キャンペーンはSNSを中心に展開され、わずか3日でTwitter(現X)のフォロワー数は107万人を突破。「#魔法で地球を救え」というハッシュタグは世界トレンド1位を記録した。特に10代〜20代の若年層から絶大な支持を受けており、選挙権を持たない中高生からは「早く18歳になりたい」という声も多数寄せられている。
「マジでラスウェルに投票するわ。エモくない?」と熱狂する千葉県の女子高生(17)は、「政治家ってみんなおじさんばっかりで興味なかったけど、ゲームキャラが出るなら選挙行く!」と話す。取材中、彼女は「ラスウェル選挙対策会議」と名付けた手作りの小冊子をカバンから取り出し、「ガセはだめ、絶対!だから自分で情報集めてる」と真剣な表情で語った。
しかし、選挙戦最終日、ラスウェル陣営に衝撃が走った。ゲーム運営会社から「キャラクター使用権の無断利用」として法的措置の検討が発表されたのだ。さらに「ブリザガの環境影響評価」を行った結果、「凍結された温室効果ガスが春になって一斉に解けると、かえって温暖化が加速する」という致命的な問題も判明した。
結局、ラスウェルは投票日前日に立候補を取り下げ、「私の魔法では現実の問題は解決できませんでした」と謝罪。代わりに「一人ひとりが小さな一歩を踏み出すことが、本当の魔法です」というメッセージを残した。
この騒動は環境問題への関心を高める契機となり、若年層の選挙への参加意識も向上。専門家は「フィクションと現実の境界を曖昧にした今回の出来事は、現代社会が抱える問題に対する新たな対話の場を創出した」と評価している。なお、ラスウェル陣営の選挙資金は全額、実在する環境保護団体に寄付されたという。