
イギリス・ニューカッスル大学の研究チームが、大学の古文書館で発見された100年前の設計図をもとに「ネコ型飛行機」の復元に成功した。この設計図は、昨年行われた図書館の大規模改修中に、旧書庫の床下から偶然発見されたもので、当時「キャットマン博士」と呼ばれていた謎の教授、フェリックス・ウィスカーソン氏の手によるものとされている。
「最初は冗談かと思いました」と語るのは、復元プロジェクトを率いたニューカッスル大学航空工学部のマーガレット・ハウエル教授。「設計図には『猫の優雅さと飛行の科学を融合させた革命的交通手段』と記されていて、1923年の日付が入っていました。もしこれが実現していたら、ライト兄弟からわずか20年で航空史は全く違う方向に進んでいたかもしれません」
設計図によると、この飛行機の最大の特徴は、猫の形状を模した空気力学的デザインだけでなく、機首に取り付けられた巨大なネコ耳型のレーダーアンテナと、機体後部に搭載される「自動ネズミ捕獲装置」だった。しかし今回の復元では、飛行機としての基本性能を確保することを優先し、ネズミ捕り機能は搭載されていない。
「現代の航空法規制に適合させるため、いくつかの機能は省略せざるを得ませんでした」とハウエル教授は説明する。「特にネズミ捕り機能は、高度1万フィートで作動した場合の捕獲したネズミの処理方法が設計図に明記されておらず、機内での衛生問題や、落下物による地上への危険性など、現代的な観点から見て課題が多すぎました」
先週行われた初の試験飛行では、予想以上の安定した飛行性能を示したものの、いくつかの予期せぬ問題も発生した。最も深刻だったのは、機体が一定の高度に達すると自動的に発せられる「にゃーん」という音で、これは元の設計では「猫の本能を維持するための必須機能」と記されていたという。この音は半径3キロ以内で聞こえ、試験飛行時には近隣住民から「空飛ぶ巨大猫」の目撃情報が相次いだ。
また、テストパイロットを務めたジェイソン・フェリン氏は、飛行中に突然の猫アレルギー症状に見舞われた。「機内には実際の猫毛はないはずなのに、着陸後はくしゃみが止まらなくなりました。医師によれば『猫型空間に対する心理的アレルギー反応』という新種のアレルギーの可能性があるとのことです」と語った。
この予想外の問題にもかかわらず、ネコ型飛行機は航空業界に新たな可能性をもたらすと期待されている。特に猫好きの航空ファンからは、「乗ってみたい」という声が殺到しているという。動物愛護団体「フェリン・フライト・フレンズ」のスポークスパーソン、タビー・ウィスカーズ氏は「これは猫と人間の共存関係を新たな高みに引き上げる革命的な一歩です」と評価する。
一方、航空業界の専門家からは「猫型ではなく、もっと流線型の犬型飛行機の方が空気抵抗が少なく効率的ではないか」という意見も出ている。これに対しハウエル教授は「犬は群れで行動しますが、猫は単独行動を好みます。これは個人の移動手段としての飛行機の本質に合致しています」と反論している。
ニューカッスル大学は今後、この技術を活用した「ペットと一緒に楽しむ航空体験」の実用化を目指すとともに、キャットマン博士の残した他の設計図の発掘調査も継続するという。また大学広報は「次のプロジェクトでは、機内での猫アレルギー対策として特殊フィルターの開発も検討している」と述べている。だが私の30年来の猫アレルギーがこれで解決するとは思えない。結局のところ、この革新的な猫型飛行機に乗れるのは、私のような猫アレルギー持ちジャーナリストではなく、くしゃみ一つせずに猫と共存できる幸運な人々なのだろう。(みつき)