
令和の日本経済を救う意外な救世主が現れた。平成初期を青春時代に過ごした40〜50代の女性たち、通称「平成1桁ガチババア」だ。彼女たちが突如TikTokに投稿し始めた「バブルダンス」が、Z世代を中心に爆発的な人気を博している。
このダンスは、バブル期を象徴するディスコダンスに、令和風アレンジを加えたもの。肩パッドをガツンと効かせたスーツや原色タイトスカートを身にまとい、「ジュリアナ東京」を彷彿とさせる振り付けで若者の心を掴んでいる。
「最初は娘に頼まれてTikTokに踊りを投稿しただけやったんです。まさか100万再生されるなんて」と語るのは、大阪府在住の矢田部さん(48)。彼女の「プレステージ・バブリー」という投稿は、わずか3日で300万回再生を突破した。「若い子からは『なにこれwww』『もっと見たいwww』ってコメントがバンバン来て、最初は批判かと思ったけど、褒めてくれてるみたいで」と笑顔を見せる。
この現象について、架空の調査機関「日本バブル経済研究所」の空野教授は驚くべき数字を発表した。「バブルダンス関連の経済効果は、直接・間接合わせて年間約2兆円。これはGDPの0.4%に相当する規模です」と語る。実際、バブル期を彷彿とさせるボディコンや肩パッド入りジャケットの売上は前年比800%増を記録。「クリバネ入り厚底シューズ」は生産が追いつかない状態だという。
この経済効果について、一部マスコミは「バブル再来か」と過熱報道しているが、日銀関係者は「まだそこまでとは言えないが、いわゆる『平成ババア特需』は確実に発生している」とコメント。政府は早速「バブルダンス経済振興特別委員会」を立ち上げ、対応を検討し始めた。
平成ババアたちの成功の秘訣は「懐かしさ×最新トレンド」の掛け合わせにある。彼女たちは単にバブル時代を再現するだけでなく、「#フルボッキダンス」(フルチンボディコンの略)など現代風ハッシュタグを駆使し、若者の琴線に触れている。
「昔はディスコで朝まで踊りまくって、タクシーで帰るときにゲロ吐いてたけど、今はスタバでフラペチーノ飲みながら動画編集してます」と語る梅田さん(52)の動画には、「このギャップがヤバい」「おばちゃんマジ天才」などのコメントが殺到している。
企業も当然この流れを見逃さない。大手アパレルメーカーは「NEO BUBBLE」コレクションを発表。「ハイレグボディコン」や「ゲルマニウム入りショルダーパッド」が若者に大人気だ。某銭湯では「昭和銭湯ディスコナイト」というイベントを開催し、平成ババアたちが水着でバブルダンスを踊るという、どこをどう間違えたのか分からない企画で連日満員御礼となっている。
古着屋で掘り出し物を探すという昔ながらの楽しみ方も復活。「令和の若者に『肩パッドがヤバすぎる』と言われながら、80年代スーツを売るのが今の生きがいです」と語る高円寺の古着屋店主の目は輝いていた。銭湯好きの筆者としては、昔ながらの「かけ湯」文化が若者に継承されていく様子を見るのも嬉しい限りだ。
この現象はすでに国境を越えている。海外メディアは「Japan’s Bubble Dance Economy」と題した特集を組み、「日本の中年女性たちが世界経済を救う」という、何を根拠にしているのか全く不明な見出しでこの現象を報じている。
令和の日本を震撼させる「平成ババア旋風」は、単なる一過性のブームではなく、景気回復の起爆剤となるかもしれない。専門家によれば、このムーブメントは「昭和の親世代を軽蔑した平成世代が、令和の若者に受け入れられる」という、世代間の和解を象徴する現象でもあるという。かつてバブル経済で浮かれた彼女たちが、今度は「バブルダンス」で日本を救う――そんな人間ドラマが、今この瞬間も各地のTikTokで繰り広げられている。(文・おだしょー)